今は事実上「系統分離」されてしもた因美線と津山線やけど、智頭急行智頭線開業までは鳥取―岡山間急行「砂丘」が走るなど、歴史的には一体となって運行しとった。智頭線開通後もそのバイパス路線として機能すべき路線やとわしは考えるんで、この２路線については一括して書くことにした。
因美線鳥取―智頭間は智頭急行智頭線と若桜鉄道のフィーダー路線的な性質があり、特急が高速で走れるようにカント扛上など高速化対策工事が施されたある。でもまだ木製枕木がようさん残ったあるんで、これをPCまくらぎに換装して、保守軽減とさらなる高速化を目指して欲しいのう。でけたら、鳥取―上郡間に毎日2往復の快速列車を運転して欲しい。
同線の智頭―東津山間（東津山―津山間は姫新線に所属）は智頭線開業からこっち完全にローカル化してしもたあって、速度制限区間もあって立て直しが厳しい状況にある。道床の耐水性向上工事を施工したいとこやけども、優先順位はかなり低そうやし、そもそもJR西も沿線自治体も財源が乏しいさかい、この区間の見通しは暗い。でもやで、せやからいうて、ここで何もせなんだら最悪廃線になってまいそうなんで、貴重な陰陽連絡線でもあるねんさかい何としてでも残さんとあかん。
津山—岡山間の津山線には急行「砂丘」廃止後も快速「ことぶき」が2時間に1本走る都市間連絡鉄道としての機能を維持しており、同時にこの路線は備前と作州の間をつなぐ地域間連絡輸送も担ってるんやな。利用客が比較的多い駅もあってそれなりに活気のある路線やけども、25キロ制限区間などがあって列車が思うように走れん路線や。こっちは早いとこ直して、快速が高速で走れるようせんとあかんで。せやけど、この路線には103系直流電車と並んで「国鉄最悪の負の遺産」の悪名高いキハ40系シリーズの47系気動車が残ったあって、この存在も津山線の足を引っ張ったある。
せやさかいに、快速「ことぶき」にも「とっとりライナー」のキハ126系クラスの走り装置を積んだ、新快速電車並みのアコモデーションの新型車両が欲しいとこや。運転区間も智頭―岡山間に拡大（因美線内は各駅停車）して、智頭で特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」に接続さしたら、津山回りで運賃も安い陰陽連絡ルートとしてそれなりに利用者がつくんやないか思うねんけどどないや？
因美線・津山線へのテコ入れは、新規路線開通で斜陽化した亜幹線を復活さすことの他に、地域輸送の高度化の意味合いもあるんで、決して無意味なこっちゃあれへんで。「鉄道なんか過去の遺物や」などと吐かす連中もおるが、こいつらは「人は生まれてから死ぬまでずーっとクルマに乗り続けれる」とでもカン違いさらしとるんやないのんけ？山間地域の高校通学に自転車は向いてへん場合が多いし、少子化で高齢者の自動車事故は日本の社会問題になって来たある。せやさかい、クルマ社会の今日においても、鉄道ちゅう良質な公共交通機関は必要なんや。少なくとも、かなり高水準な自動運転技術が開発されて、酔っ払いが代行頼まんでも安心して自分のクルマで帰れるようなるまでは、鉄道がその使命を終えることはあれへんやろう。（しまい）
次回は若桜鉄道の予定や。
