E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・井原鉄道(2)

1980年可決・成立した国鉄再建法(86年廃止)は、国鉄の再建どころかJRとして民営化してから後の鉄道事業衰微の先鞭をつける恰好なった悪法やとわしゃ思う。ちゅうのも、部分的な区間では将来的な経営改善がでけそうな路線(例えば鍛冶屋線野村(現・西脇市)—西脇や名寄本線遠軽紋別など)の全線を廃止してまう粗雑極まりない運用がまず気に入らんかったし、智頭線(現・智頭急行智頭線)みたいに現在では都市間連絡特急の走る重要な路線の建設を凍結してまう失態まで犯すことになってんからの(その代わりに播但線の存廃問題が出てしもたが)。

 

国鉄井原線の建設もこれによって中止され、矢掛町井原市は梯子ならぬ鉄路を外されてしもた。国があかなんでも沿線自治体があるちゅうことで、86年に第三セクター井原鉄道」が設立され、翌年工事が再開された。再建法さえなかったらまだバブル景気に沸く90年前後に開業しとったやろに、列車が走り出した99年は、鉄道事業が既に不況産業の烙印を捺された後やった。おまけに矢掛・井原は井笠鉄道の全廃などによる人口減少があり、井原鉄道の経営基盤を揺るがしたある。

 

他のローカル線とちごて線形がエエ(戦後敷設やから当然やけどな)んがせめてもの救いやけども、高梁川橋梁など高価な資産を抱えてるとこに経営上の問題がありそうや。開業から4年で早くも上下分離方式による経営安定化を図らんならんとこにも、経営基盤の脆弱さが表れたある。こないした事例は各地の3セク鉄道に見られるけども。これを放置したら赤字鉄道が原因で財政再建団体に転落してまう自治体が続出してまうかも分からん。

 

ところで、昨日(26日)のAFPBBによると、ドイツのベルリン―シュトゥットガルト間に世界初のクラウドファンディング鉄道が開業したそうや。当面は1日1往復(並行するドイツ鉄道は日700往復)しか運行でけんらしいが、運賃が五分の一なんが売りや。これは井原鉄道のみならず、全国のローカル鉄道再建のヒントになるかも分からん。

http://www.afpbb.com/articles/-/3112360

 

クラウドファンディングを成功さすにはまず沿線住民の積極的な出資が必須やけど、それでも足らなんだら全国の鉄ちゃんや鉄子さんの協力も仰ぎたなる。とは言うたものの、営業キロ数が数十キロ程度の鉄道会社1社だけでは彼らにアピールするには弱い。そこで、全国の赤字鉄道会社がコンソーシアム(協同企業体)を組んで、これらの鉄道会社共通で利用でける格安なきっぷを販売すんねんやんけ(出資者には出資額に応じた枚数の無料の1日乗り放題券を提供するねん)。井原鉄道の場合やったら、手始めに岡山電気軌道と組むことが考えれるな。いや、バス事業をも取り込んだかてあかんことナイやろから、中鉄バスや鞆鉄バスも仲間に入れようやないか。鉄道だけに出資することも可能にしたらんと、出資者が集まらんかもしれんがの。

 

こないした取り組みがうまいこと行ったら、安い運賃を武器に岡山-福山間で山陽線と渡り合えるようなるかも分からん。ただ、井原鉄道の総社―清音間は伯備線との共用区間第2種鉄道事業者)で、しかも一部列車は福塩線で福山まで乗り入れてる複雑な事情がある。せやさかい、JR西がセコい料簡起こして妨害せんようにしたらんとあかん。

 

それにや、井原線吉備線の延伸線として設けられた路線とは言え、矢掛へは国鉄バスが倉敷から乗り入れてた経緯から、総社よりも倉敷との結びつきが強なったある思う。せやから総社よりも倉敷に乗り入れした方がエエんやなかろうか。井原も岡山・倉敷よりも福山の方が近いし、福山乗り入れをもっと増やして、できれば神辺-倉敷間ノンストップの快速にしたいのう

経営が軌道に乗ったら、線内でも快速運転を始めるねん。倉敷発福山行の停車駅は、清音・矢掛・井原・神辺でエエのと違うかな?ほんでから井原線は完全立体化されたあるんで、自動列車運転装置(ATO)も導入しやすいやろう。

 

自動運転車の時代が迫って来たあるけども、所詮それはエネルギー効率が箆棒に低いクルマであることに変わりあらへんので、それが旅客輸送の主役になるんは国のエネルギー政策上非常にマズい。せやけど、楽なクルマがあんのに人を鉄道に乗すためには、まずは安価である必要がある。ナンボ環境に優しいい言うたかて、安なかったら客はつかんのや。国鉄再建の失敗とJRの苦境の大きい原因は、経済原理を無視した運賃値上げ、長距離普通列車を廃止して特急や新幹線に客をムリから誘導する傲慢な経営態度などにある思う。そこへ持って来て鉄道を理解せんアホな政治屋連中の失策もあって、井原鉄道などの地方交通線は気息奄々たる現状に置かれたあるねんやんけ。

 

つまり、井原鉄道を救済することは全国の鉄道を復権さすことでもある。それはひょっとしたら、ドイツのクラウドファンディングの成否にかかってるんかもしれんので、ロコモアの挑戦に注目したい思う。(しまい)

 

次回からは福塩線や。