E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

わしの鉄道事情大研究・土讃線系(1)

 今回は、予讃線とともにJR四国の輸送の根幹をなす土讃線と、旧国鉄中村線を含む土佐くろしお鉄道中村・宿毛線、すなわち特急「南風」「しまんと」の走る区間について書く。土讃線系は予讃線系との共通点もあるけども相違点もあって、総じてなかなかにオモロイ路線ではある。

 

 予讃線系の輸送の柱が高松ー松山間であるのに対して、土讃線系のそれが高松ー高知間であるとこが大きい共通点で、土讃線では岡山ー高知間の特急「南風」「しまんと」のレベル向上が輸送人員確保の鍵になることは誰もが理解でけるこっちゃろう。

 

 ところが、予讃線系がほぼ全線に亘って均等に近い沿線人口の分布が見られるんに対して、土讃線系は四国山地を横断することもあって、人口分布のバラつきが大きい。特に大歩危土佐山田間に大きい輸送断層があって、この区間は1日を通して普通列車はガラガラである。これはJRなどに多い地方長大幹線の抱える問題の一つで、他地域では日豊本線宇佐ー杵築間、同佐伯ー延岡間などにも見られるの。近鉄大阪線青山町ー榊原温泉口間の山間区間もそれに似とって、この区間は過去に三重県名賀郡旧青山町(現伊賀市)議会が「新青山トンネル掘削に伴う近鉄の駅位置変更に同意するも、同町内全駅を急行停車駅とすることを条件とする」を受けて、急行・区間快速快速急行が同町内各駅停車(現在は伊賀市成立のためか、区間快速が廃止され、快速急行は伊賀上津・西青山・東青山通過)にされたらしい。ホンマけ?ホンマやとしたら醜悪な地域エゴやなあ。

 

 やからちゅうて「南風」を山間地各停にする訳にも行かんので、少々大げさに言うたらこの山岳区間をどないするかで土讃線系の浮沈が決まる。本家の川島氏もどこかの著作でこの区間の線形改良について言及されてたかもしれんが、線形が悪うて、しかもそれによって1線スルー化が阻まれてるとしたら放置はでけん。駅の廃止を最小限にしつつ、「大歩危小歩危」の車窓美をなるべく損なわんようにしてもらえたら言うことはナイんだが、それは望蜀なんやろか?

 

 まあとりあえず、多度津ー高知間の対策について考える。当面の対策としては、自由席特急券の制度の廃止によって、高松ー琴平間の特急自由席を運賃だけで乗車でけるようにして、ことでん琴平線との競合に止めを刺す。また、非電化区間ローカル輸送用気動車列車に、予讃線系の項目でも書いたような車体傾斜機能つき気動車を導入し、普通列車の速度を向上さして特急のスピードダウンを抑える。さらに、昼間時には乗降客のおらん駅を通過する快速を琴平ー高知間に設定する。この列車は、琴平ー大歩危間と土佐山田ー高知間は各駅停車で、大歩危土佐山田間は豊永・大杉と、特急と過去の急行の停車駅に停車さす。

 

 中期的な対策としては、新改のように駅と集落が離れたある地域のために、クルマなどによって、地域と特急停車駅(土佐山田)との間の閑散時輸送を補完さすことやな。実際、この新改は一部の普通列車も通過するんで、地域の足が確保されてるとは言い難い。場合によっては、大歩危土佐山田間の特急の停まらん全駅をこの対象にすることも考えれるな。朝夕には新改駅と集落の間の輸送にしてもエエかな。

 

 長期的な対策は、大歩危土佐山田間を新線付け替えて高速運転可能にし、併して琴平ー高知間を電化かつ単線でエエから新幹線規格路線化して、岡山・高松ー高知間に狭軌新幹線(スーパー特急)走らすことやな。岡山ー高知間を「南風」で2時間以内で結べたら、例えば伊丹ー高知竜馬空港間航空路を廃線に追い込んだりと、多くの航空シェアを奪えるようなるんと違うかな。まずは四国山地横断区間から順番に高規格化して、次第次第に高知までの全線を高規格化すんのが現実的な策になるやろな。「大歩危小歩危」の渓谷美はバスとかに乗り換えて観てもらうしかナイかもな。

 

 全国にはまだまだ高知のように新幹線とは無縁の県都が残ったある。航空機の時代にあって鉄道が一定のシェアを確保するには、これらの都市と新幹線駅との時間距離を縮める以外に方法はあれへんのんで、そのためにはフル規格新幹線を通すんではなしに狭軌新幹線が効果的である。何でや言うたら、フル規格新幹線は地域を破壊するからや。実際、東北・上越北陸新幹線などで新幹線の停まらん市町村の疲弊は目ェ覆わんばかりのモンがあり、地域に残された第3セクター路線の維持だけで地方自治体の財政をかなり圧迫したある。

 

 それに対して狭軌新幹線はスーパー特急とローカル列車との両立が可能なんで、地域を破壊することは防げる。それに、イベント開催に合わして、普段は普通列車しか停まらん駅にもスーパー特急を停めることがでけて、季節などによって臨機応変な対応がでけることも大きい。仮に、土讃線フル規格新幹線なんぞ持ち込んだら、途中で新幹線が停まるんは阿波池田徳島県三好市)ぐらいで、善通寺・琴平や御免(南国市)なんかは切り捨てられてまうやろな。当然土讃線並行在来線としてJR四国から切り離されてしもて、そんでのうても厳しい沿線自治体の財政をハタンさしてまうやろな。

 

 次回は高知ー宿毛間について書くことにする。(つづく)