E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・高松琴平電気鉄道

 地方鉄道が配線になる原因の一番は過疎化やモータリゼーションの発達による乗客減少やけれども、本業を疎かにしたズサンな経営によって鉄道会社が傾いてまうこともある。今回採り上げる高松琴平電気鉄道ことでん)がそれを見事に示したある。

 

 ことでんは総営業キロ数50キロ超の中規模私鉄で、地方鉄道ながらも閑散時でも毎時20分(琴平線末端区間は30分)運転を行う、割合に利用しやすい路線で、乗客もそれなりについて経営基盤も割合に安定しとった。

 

 ところが、経営者の誤った経営が「琴電」を窮地に陥れてしもた。70年代に琴電の運転上の拠点である瓦町に駅ビルを建てる計画が持ち上がったが、諸般の事情でその計画が動き出すんがバブル絶頂期の80年代後半にまで遅れたそうや。94年にやっと着工したが、そん時は既にバブル崩壊から3年も経過しとって全国的な景気の低迷は誰から見ても明らかやった。にも拘らず、バブル期に立案した甘々な経営見通しのまま工事が強行され、琴電瓦町ビル竣工・コトデンそごう開店は景気がズンドコの97年で売り上げも振るわず、00年のそごうG経営破綻の煽りを喰うたこともあり、翌年1月にコトデンそごうは高松地裁民事再生法適用申請して仕舞屋(しもたや)なった。

 

 しかもマズいことに琴電はコトデンそごうの債務保証人やったんで、コトデンそごうの負債を被って忽ち経営難になってしもた。今度は琴電自体が地裁に民事再生手続申請する羽目なってしもて、創業者一族の退陣と相成った。

 

 そんだけで民事再生手続が終わるはずもなく、冷凍食品でお馴染みの「加ト吉(現・テーブルマーク)」の支援を受けて再建することになって、06年に再生計画完了まで漕ぎつけた次第やそうやがな。

 

 琴電がかような苦境に陥った原因を明け透けに言うたら、高松市の人口規模からしたら不相応に大きい琴電瓦町ビルを建てて、しかもそこへ既に小売店の業態としては時代遅れなっとった百貨店を誘致したことにある。なお、01年9月に後継店舗として高松天満屋が入ったが、14年に閉店したことからも分かるように、瓦町ビル建設は商業的に失敗やったことが改めて示されたんやな。元経営陣は違約金を支払うてでもこの計画を中止すべきやった。

 

 兎にも角にも、経営陣を刷新して、イメージも改めるために略称の「琴電」を「ことでん」に変更しての新たな船出となったワケやが、将来の自動運転車時代を考えたらやっぱし経営環境は苦しいと言わざるを得ん。ライバルのJR四国よりも運転頻度は高い目に取ってるけども、琴電琴平琴電志度までの運転時分がJRよりもかなり長い欠点がある。かっちゅうて、車両更新や線路改良をしたくとも、経営再建からまだ日ィも浅いんでそれはムリや。さなぎだに、ことでんは旧京急・京王とかの中古車両を利用したあるねんさかい、いきなり新製車両投入ちゅうことは非現実的でもある。さらに言うたら、ことでん琴平線長尾線志度線の3路線でそれぞれ車両規格が違うんで、これもまた経営環境上の不安材料になったある。これを放置しての瓦町開発など本末転倒も甚だしいわい。

 

 当面の対策としては、車両更新時期が来たら、〇神ジェットカーとまでは言わんが地下鉄並みかそれ以上の高加減速性能の車両を導入し、少しでも運転時分の短縮を図ることやな。ことでんには優等列車を走らす意味があんましあれへんさかいに、普通列車の底上げが現実的やろう。

 

 中長期的な対策としては、3路線の共通運用を可能にして、車両保守コストを軽減するこっちゃな。長尾線にも、ほんでから瓦町で他の2線と完全に分離されたある志度線にも18メートル超級の車両が入線でけるようにして、車両規格が統一でけるようにすれば、何かのトラブルがあった時への対応がやりやすなる利点もあるし、廃線の危機も乗り越えやすなるからや。琴平線志度線相互直通運転でけたら、鉄道事業者としての可能性も広がるわいな。

 

 他の対策としては、車両アコモデーション(接客設備)の改良による乗客誘致や。ナンボ車の完全自動運転化が達成されたかて、スマホやりもって一人で乗車することなんかでけんやろう。せやから、移動しながらでもスマホやりたい向きのために、電車の座席数を増やしたればエエねやないけ?これはことでんだけでなしに、全国的に有効な策やで。特に首都圏の中距離電車のアコモは全然なってへんさかい、今からでも改めるべきやで。

 

 ただ、ことでんは閑散時とラッシュ時との輸送人員差が結構大きいけども、複線化率が低い(栗林公園-仏生寺間には複線化用地があり、うち三条ー太田間は複線化工事中)んで、混雑時に運転頻度を上げて対応しようにも限界がある。起点の高松築港も2面2線しかあらへんさかいなおのこと苦しい。そこでやっぱし、琴平線志度線との相互直通運転によって車両運用効率を向上さすことがどないしたかて必要なるわな。

 

 現在はネット通販で大抵のモンが買える時代やし、商品も多品種化・細分化が進んで、百貨店の時代はとうに終わって専門店の時代になったある。瓦町に限らず、地方の拠点駅はアマゾンやスマホや百貨店では不可能なサービスを提供でける空間を用意しやんと、誰も寄ってくれんようなるで。それこそ、老人が何も病気してへんのに病院行ってダベるみたいな感覚で、世代を問わずに何の用もナイのに人が集まれるような場所があれば、電車に乗る人がおってもおらんでもターミナル駅は発展するんやなかろうか?(しまい)

 

 次回は土讃線系の予定や。