E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

「新しいみんなの公民」もあかんかった(60)

 わしらが受けた昔の中学社会科教育の問題点の一つに、大人になってからの実践的な知識から乖離した知識を無批判に授けてたちゅうのがあった。例えば、台湾第二の都市「高雄」のことを「たかお」とちごて「カオシュン」て読ましたりすることや。「長江」のことを「チャンチャン」て何やねんアホ。

 現在の教科書では、例えば「安重根」「李承晩」などは日朝・日韓の読みを併記するなど工夫が施されてるものの、未だ問題なしとせん記述はある。例として、大阪の中小企業の集積地は「布施」(東大阪市;旧布施市)でエエがな。「大田区」言うよりも、「大森」「蒲田」(東京都大田区)の方が駅名とも合致するさかいより理解に導けるんやないやろうか思うがどないだ?

 日本の長期に及ぶ不況によって年功序列・終身雇用の維持が困難になってるのは事実やが、「企業が外注や派遣社員を増やすことによって国民の平均所得が減少して、それによってさらに景気が悪化して、ますます年功序列・終身雇用が困難になって行くちゅう負のスパイラルに陥ってる」、てな具合に書かんと、読み手の中学生への迫真性が足りんのと違うかな。

 この教科書の叙述によると、労働三法がまるで不況・失業対策のためにあるんやないかて錯覚せえへんかて不安になる。労働者の権利は好不況に関わりなく保障される必要があるし、それに労働者の権利が主張され始めたんは英国の産業革命期つまり産業の勃興期やちゅう歴史的背景を無視してるかのような印象を与えるやろう。

 中学生が最も苦手とするのんは、「産業構造の変化」やなんて抽象的な用語やろう。軽工業・重工業・重化学及び機械工業・電気電子ちゅう具合に、歴史的事実を踏まえた説明が必要や。できたら、先進工業国では第三次産業の比率が高なることの理由の説明も欲しい。

 何ゆえに若者の失業率が高いのかちゅうと、求人側は業務経験者を欲しがる傾向が強いからやな。これはつまり、現在の日本の産業構造が「経験集約型産業」に偏重してることをも意味する。本にわが国に知識集約型産業が乏しいことを示すモンでもあり、情けなさを感じる。(つづく)