E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しいみんなの公民」もあかんかった(55)

 各国の人口一人当たりのGDP国内総生産)を比較するだけで、結構色んなことが見えてくる筈や。せやさかい、単にその数字を羅列するだけではなしに、そっからどない考察するかの方が大切やねんがな。




 教師がこの図を「中国は一人当たりのGDPが低いから先進国とは言えない」て説明するだけでは中学で公民科を教える意味なんかあらへん。何で中国の一人当たりのGDPが低いのんかを説明すんのが教科書の役目やろが。その辺の事情はわしの中国関連のブログに書いたある通りやけどな。




 IT(情報技術)を立国の柱として科学教育に力を入れてるインドのGDPが低いレベルのままなんも注目すべきやろう。これは少し考えたら当然のことで、どんだけすごいソフトを開発したかて、それを応用するハードが国内で調達でけんかったら他の産業への波及効果があらへんのだ。しかも、ソフトとハードは互いに影響し合うて発展する技術であって、国内でハードの生産がなかったらソフトの開発環境かてなかなか整わんのである。ソフト産業がどんだけ急成長しとる言うても、それ単独ではインド全体を豊かにするには程遠い。やっぱし「第三の波」は産業の発展史を無視した幻想やちゅうことか。




 おまけにインドは結構な農業大国て言われるけれども、輸送インフラが貧弱なんで折角こさえた農産物が腐ってまうみたいやねんな。ほんで、なまじ水引かんでもとりあえず収穫でけてまうさかい水源開発が進まへんで、それが農業の発展だけやなしに工業化もでけん原因やねんな。中等教育が普及してへんさかい労働力の供給も内需拡大も期待でけんし、カーストは人材の有効活用を阻害しとる。こないな国が今世紀中葉に日本や中国のGDP上回る経済大国になれるとは思えん。




 GDPを上げるためには一部の優秀な人材に高度な教育を受けさすだけではあかん。IT産業を育てるには、その前に電子産業を育てる必要がある。んでもって電子産業には一定数以上の労働力・ある程度の資本の蓄積・大量の工業用水が「生産の三要素」として絶対不可欠や。労働力を確保するには国民の定住が必要やけど、そのためには農業が発展していることがこれまた必要になる。農業は途上国が資本を蓄積さすための数少ない有効な手段でもある。ほんで、農業は農業用水がなかったらあかんから、治山・治水をしやんとあかんというんが結論てなる。農業用水と工業用水の両方がなかったら経済大国にはなれんことを学ばせんような公民に何の意味があるんじゃいアホ。(つづく)