E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・電気機関車(7)

日本の鉄道電化は欧米先進国同様に直流電化から始まった。直流回路は交流回路とちごて難解な交流理論もほとんどいらんし、車両構成が単純で安価に製造でける利点がある。せやさかい、列車本数の多い地域では直流電化が有利やったし、直流電化は東京・大阪近郊から始まってんや。ただ、発電所から送られて来る電気は交流やさかい、 5-10km 置きに交直変電所を設置する必要があり、これが直流の欠点やった。

 

一方の交流電化の利点は、前述の交直変電所がいらんことがまず挙げれる。ほんで他の利点として、交流電機ならではの回路構成から由来するモンがある。

 

日本初の交流電機 ED44 (ED90) は、変圧器でもって架線電圧を下げて、交流整流子電動機を回すタイプ(直接式)やった。直接式の名は、受電した交流を直流に変換せんとそのまま用いるとこから来てんねんな。運転上の成績は良好やったけども、整流子の保守がえらい大変やったんで結局試作だけに終わった。

 

次に試作されたんが間接式の ED45  (ED91) や。電圧降下後に水冷式エキサイトロン(水銀整流器の一種; ED45 1, 21)または空冷式イグナイトロン(これも水銀整流器; ED45 11)と主平滑リアクトル(インダクタンスの一種で、脈流抑圧用に主回路に直列に挿入される)でもって直流に変換しとったから間接式て言われる。運転・保守ともに好成績を収めたんで、この間接式が後の交流電機の標準になった。

 

初期の直流電機は、直列接続された主電動機の回路に抵抗器を挿入することなどにより制御を行う方式やったが、これやと動輪に空転が発生しても電流値が変わらんさかい、電動機の回転数が上がって空転を助長してまう。これに対して交流電機の場合、主電動機を電源に対して並列に接続し、これら電動機を各個の主制御器で制御するんが一般的で、空転が発生したかて電流値が上がらず、割と簡単に再粘着してくれる。せやから各制御器が電動機の粘着性能を最大限引き出せるような制御が可能やった。さらに、動輪に空転が発生した場合、主平滑リアクトルに逆起電力が発生し、それによって再粘着がなされることも牽引力確保に有利に働いた。しかも、直流電機の主幹制御器に刻んだある力行ノッチは3段しかあらへん(中間ノッチも一応はあったがこれらは通過ノッチで使用不可)のに対して、交流電機のノッチ刻みは多数あり、しかもこれら全てが常用可能やったことも、制御の融通が利いて便利やった。

 

こないな具合で、直流電機よりも粘着性能が良好で、直流やと EF 型が必要な仕業を ED 型でこなせるちゅうとこが特に国鉄で評価されて、戦後高度経済成長期以降の地方非電化区間の電化方式は交流で、すでに直流電化が進展してる地域の周縁部に限って直流で電化する方針が固められてんな。当時としてはこの選択は決して間違うてへんかった思うけども、後にこれが禍根を残すことなりよった。(つづく)