E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・電気機関車(1)

アストラムラインの次は呉線を書くつもりやったんだが、たまには趣向を変えた方がエエな思い、電気機関車について書くことにした。

 

何でいきなし電機なんかちゅうと、少子高齢化による人口減少やら生産年齢人口の不足とかで、鉄道を取り巻く環境が年々厳しなって行く中で、編成両数にもよるが最も輸送コストが低く抑えれる機関車牽引の客車列車がもっと見直されるべきやないかて考えたからや。中でも最も輸送コストが低いんは電気機関車牽引の客車列車やからな(逆に蒸気機関車は新幹線並みに効率が低い)。

 

電気機関車の単価は動力分散型の電車に比べるとべらぼうに高い。せやけど、客車は電車や気動車に比べるとかなり安いんで、全体としての減価償却費を大幅に低減でける。日本の鉄道高速化は新幹線を含めて動力分散式で推進されて来たけども、長期連休期の波動輸送に貨物列車を運休さして、それで浮いた機関車を客車牽引に充てることが行われとったんもそれが理由やな。客車は安いさかい、閑散期間に車両基地に留置しといたかてそない懐が痛まんのや。

 

それに、客車列車は動力分散式よりもエネルギー効率が簡単に高くでける利点もある。電気機関車には電車よりも大型の主電動機や主制御器とかが搭載されてるんで、動輪の軸重が重い。軸重が重いほどに粘着力(トラクション;摩擦力)が大きなるさかい、より重い列車を牽ける。近年の電車ではインバータ制御の進化により粘着性能が向上して、しかも速度ゼロまで回生ブレーキを使える全(純)電気ブレーキが実現したんで、必ずしもそうは言えんようにはなったがの。

 

電気機関車には他にも欠点がある。電機には発熱量の多い機器が搭載されるんで、車体に放熱フィンを開けたある機種が多い。「山男」と称せられる EF64 には発電ブレーキと主抵抗器を搭載したあるからか、べらぼうに広いフィンが開いたある。せやから、電車みたいに自動洗車機が使えんのんで、作業員がモップでもって拭わんとあかん。ただ、これらに解決策があらへんでもナイ。インバータ制御の導入によって主制御器の発熱量は減少傾向にあるし、強制風冷を行うなどして放熱フィンを省略した機種も出て来た。それに、発電ブレーキ・主抵抗器は回生失効予防のための回生電力吸収装置を地上に備え付けることで回生ブレーキに代えることがでける。これは主抵抗器の地上設備版なんで、省エネ効果はあらへんのやが。

 

そうは言うても、鉄道事業者にとっては、省エネよりもやっぱしコスト削減の方が重要な課題なことには恐らく異論はあれへんやろう。鉄道がどんだけ環境に優しい言うたかて、運賃や料金が高かったら客がつか。こんなんでは、曽根悟・東大名誉教授が指摘するように、鉄道が省エネを重視してゆっくりと走るようでは、もっとエネルギー効率の低いクルマ・飛行機に客が流れてまうんと一緒やからな。国全体の省エネを考えても、鉄道の経営を安定さす方に注力すんのが正しいやろう。

 

せやけど、極々一部の豪華列車を除いて、客車列車はほぼ絶滅状態にあんのが現実や。その理由は、まず前述の通り、客車列車は編成両数が多なかったら却って非効率になるんで、効率的に運用でけるのは首都圏と近畿圏の一部ぐらいしかあらへんからや。しかも、それらの路線は列車密度が極めて高いさかい、加減速の悪い客車列車は向いてへん。

 

ただ、それはこれまで高速化を動力分散式だけに集中しとったことにも原因があって、機関車でもある程度加速度を高めることは可能なはずやし、最高速度を高めることでもその欠点はある程度カバーでける。日本では新幹線をより高速に走らすために、主電動機の小型化と高出力化の研究が進んでんねんさかいな。現行の電気機関車ではあかんけど、そういう電機を作れんことはあれへんやろよ。

 

ところがや、JR旅客鉄道各社は、他社からの客車列車の乗り入れを禁止したある。機関車は軸重が重いんで軌道を傷めるからなんやろが、貨物列車が多数走るJR東海もその例外やあれへん。一体こりゃどういうこっちゃねんな?(つづく)