国鉄分割・民営化の失敗は、加古川線のような陰陽連絡線を単なる地方交通線のまま放置するに任すJR西日本のテイタラクによっても明らかなこっちゃ。国鉄時代には不十分とは言え全国の鉄路を俯瞰するだけの力があったけども、分割民営化された今の旅客鉄道各社にそれはナイ。
この加古川線かて国鉄時代は福知山線・播但線に比べたら冷や飯喰らいを強いられた路線ではあったけども、○神・淡路大震災に際しては福知山線ともども被災地迂回路線として利用され、そん時に非電化のままではまずいちゅうことで電化された経緯がある。
全国には万一の災害発生時にこないした迂回路として機能する路線が数多く存在する。函館本線山線(長万部―小樽―苗穂・白石間)・釧網本線・室蘭本線追分支線・常磐線(東日本大震災により機能喪失)・田沢湖線(秋田新幹線)・北上線・陸羽東線・陸羽西線・米坂線・仙山線・磐越東線・磐越西線・只見線・水郡線・上越線・飯山線・両毛線・水戸線・埼京線・川越線・八高線・武蔵野線・南武線・横浜線・相模線・根岸線・身延線・小海線・信越本線・篠ノ井線・大糸線・飯田線・愛知環状鉄道(旧岡多線)・太多線・北陸本線・関西本線・伊勢鉄道(旧伊勢線)・草津線・湖西線(北陸線米原―近江塩津間の迂回路)・小浜線・JR奈良線・桜井線・和歌山線・おおさか東線・福知山線・播但線・姫新線・智頭急行(旧智頭線)・津山線・因美線・赤穂線・吉備線・伯備線・福塩線・芸備線・三江線・岩徳線・山口線・美祢線・予讃線伊予長浜支線(内子線全線開通により迂回路に転じる)・徳島線・予土線・筑豊本線・篠栗線・日田彦山線・筑肥線・久大本線・唐津線・大村線・豊肥本線・肥薩線(肥薩おれんじ鉄道の迂回路)・吉都線・日豊本線ちゅうた具合や。
大都市圏の振替輸送路も含めて、これらは地域交通のみならず全国的な交通のユニバーサルサービスを提供しとった。おおそうや、日本怪獣感染やない日本海縦貫線かて大阪と青森の間のバイパスちゅうか近道やったし、山陰本線も山陽本線の迂回路やで。中央本線に至っては、東京と名古屋を結ぶ壮大なバイパスやないか。塩嶺ルート開業後も、辰野支線は迂回路として役立つやろう。
その大事な迂回路の加古川線が単線なんはしゃあないとしても、線路が木枕木のまんまで、しかも25キロ制限区間が何か所もあるまま放置されとっては、播州が大災害に見舞われたときにどないなってまうんかて考えてまうわい。
ただ、加古川線沿線はそない人口希薄な地域ではないにしても、現代的な問題を抱える路線としてある意味重要な路線でもある。次回はそれをふんまえた加古川線の改革案を書いてみたい。(つづく)