力士が「一年を十日で過ごす良い男」としたら、京阪鋼索線(男山ケーブル)は「一年の半分を一月で過ごす良い路線」やな。戦いの神様を祀る石清水八幡宮は宇佐八幡宮(ウソ八万とも)・鶴岡八幡宮(または筥崎宮)と並ぶ三大八幡宮の一つで、「徒然草」の「仁和寺にある僧」でもしられるとこやけども、ここまで季節波動が激しい観光地も珍しい。恐らくは三が日と9月の石清水祭だけで数ヶ月分を稼ぎ出すんやないかて思う。
実際、大晦日と石清水祭の日には終夜運転され、しかも普段は毎時2本やのにそれらの日は5分間隔で高速運転すんねんから、この落差は大きいわ。南海高野鋼索線が高野町の生活の足なんで季節波動はあるけどもここまで激しいことはあれへんのと対照的やな。実際、男山山上駅には他に京都國學院しかナイ訳やしな。
接続駅は本線の八幡市で、昼間は各駅停車する準急しか停まらんけど、1日平均1万人も利用せえへんねんさかいこれでエエと言える。多客時に淀―大阪間の臨時急行を運転さしとけば問題あれへんし、後はせいぜい快速急行を臨時停車さすぐらいやな(現行は快急の臨時停車はナイ)。
こういう状況なんで、この路線はこのまま推移するんやろうな。せやけど、多客時に限って特急も停まるようにすれば、多少は違うて来るんやないかな?仮にも日本で有数の八幡様のおわす所やねんさかい、1年に4日ぐらいは特急全列車を停めたかてバチは当たらんやろう。需要は作り出すモンや。(しまい)
次回からは京阪交野線や。