E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの電子工学用語集(71)

ようでけたカセットデッキは人間の可聴周波数帯域のほぼ全域をカバーでけるさかい、今でもカセットテープはそれなりに需要がある。せやけど、テープとヘッドのアジマス(垂直性)が狂たら高域の再生がでけんようなる。過去のオーディオメーカーナカミチの説明によると、1度も狂うと音にならず、たった8分(1分は1度の 60 分の1)の狂いで 15kHz の再生が不可能なって、FM のエアチェックにさえも影響出るらしい。
 
アジマス
 
azimuth
 
テープレコーダにおいて、テープとオーディオヘッドのヘッドギャップとの垂直性のこと。または、テープとヘッドギャップとのなす角のこと。
 
→テープレコーダ
 
〔補説〕アジマスは 90°が理想であるが、この値を外れると、見かけ上のヘッドギャップが広がることによりヘッドギャップにおける信号損失が増大し、このため高域の録音再生レベルの低下によるオーディオ特性の劣化の原因となる。録音(書き込み)ヘッドと再生(読み出し)ヘッドが独立していて、双方のヘッドのアジマス値にずれがある場合、テープ上の記録トラック間に位相ずれが生じ、これも高域特性劣化を招く。
 
アジマス記録方式は、録再ヘッド間のアジマスずれによる位相差発生を積極的に利用した磁気記録方式である。この方式では隣接するトラック相互間の影響を抑制でき、より高密度なデータ記録が可能となるため、民生用ビデオテープデッキなどに応用されている。
 
(本文ここまで)
 
高級カセットデッキのアジマス調整は、ステレオ録音再生方式用の左右信号用のトラックそれぞれに同一波形の音声信号を録音し、その再生信号に生じる位相差を利用すんのが通常や。せやけど、そもそもアジマスずれは録音・再生中に発生するモンやから、こんなんでは根本的な解決にならん。
 
ナカミチの最高級デッキの DRAGON は、アジマスずれが生じた場合にテープ上のオーディオトラックの左右チャネル間に発生する音声信号の位相差を検出して、録音・再生中でも自動的にアジマス調整を行える NAAC (Nakamichi Automatic Azimuth Correction) を搭載し、業界最低水準のワウ・フラッター値と相まって、プロ用カセットデッキの代表的地位を占めた。
 
ただ、この方法やと左右別々の音声信号を録音するマルチモノラル方式の録音には対応でけん。それに、ナカミチは DRAGON のカタログで、クォーツロック・直接駆動 (DD) 方式の独立2モータ式デュアルキャプスタン(通常は一方のキャプスタンのみ DD で、もう一方のキャプスタンはベルトなどで駆動)を採用し、「これ以上のワウ・フラ改善はムリ」と主張してたこっちゃし、後から思たらこれがアナログオーディオテープの一つの限界やったんやなかろうか。