今回もアモルファスのシリーズの続きで、金属の次は磁性体や。
アモルファス磁性体
amorphous ferromagnetic material
非晶質磁性体。希土類元素や半金属元素(metalloid)を含む溶融金属合金を急冷し、または原料金属材料を真空蒸着し、あるいは電気メッキ法などにより作製される。室温で強磁性を示すアモルファス強磁性体のことを指すことが多いが、フェリ磁性体・反強磁性体のアモルファス磁性体も存在する。
〔詳説〕原子半径の大きく異なる元素を組み合わせるなどして得られることが多い。鉄・ニッケル・コバルトなど強磁性金属元素を主成分として、これにボロン(硼素)・炭素・シリコン・リンなどの半金属または半導体元素、4d族や5d族の金属元素あるいは希土類元素を添加して作製される。
熱力学的準安定状態を取れるため、熱平衡状態では得られない組成の合金が得られ、これによりさまざまな磁気的性質の磁性体の開発が可能となっている。また、結晶粒界がないので機械的な強度が高く、化学的にも安定で耐食性が高いなどの長所があるが、特定の温度以上になると不可逆的に結晶化して磁性体としての性質が損なわれてしまう問題がある。さらに、室温でも緩やかに結晶化が進行するので経年劣化がある。
ある組成比により透磁率が高く保磁力が小さくなり、しかもアモルファスの結晶性の低いことから抵抗率が高くなってうず電流損の小さい磁性材料が得られる。このことから磁気ヘッドや電力用トランス・電動機の鉄心に応用される。
(本文ここまで)
電子工学には多種類の元素を用いるんで、化学の知識がなかったらエンジニアとしては辛い。ところがや、わしのこれまでの経験からすると、化学の知識が豊富な半導体専門のエンジニアはあんまし多そうには思えん。まあ、わしの周囲の人の大半が通信工学か応用物理学の専門家やったちゅうこともあるが。その一方で、明らかにわしよりも化学のことをしってるドクターがいてたけど、その人は専ら真空化学エピタキシャル成長を行っていて、ウェットプロセスは半導体基板の前処理以外はあんまししてへんかったなあ。