E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの電子工学用語集(37)

 アモルファスには結晶にはない面白い物性を示すことがあるんで、これからも新機能材料作製に貢献する所が大きいんやないかて思われる。さて、アモルファスシリーズはまずは金属からや。

 

 アモルファス金属

 

amorphous metal

 

 非晶質金属。原子配列に周期的規則性がなく、原子間隔が平均原子間距離の数倍以上にわたって分布する固相の金属。または、原子配列に短周期の規則性が見られ、長周期の規則性のない固相の金属。結晶金属では得られない物性を示すことがあるため、各種新機能材料に応用される。

 

〔詳説〕液体金属を急冷し、または気体金属や金属イオンを含む電解液の低温表面へ蒸着することなどによって得られる。液体金属の急冷が最も一般的な作製方法で、こうすると液相エピタキシャル結晶成長法における結晶核の成長が起こらず、ガラス転移点温度で非晶質固体となる。jただ、純粋金属の非晶質化は極めて困難で、合金の非晶質が工業化されている。

 

→ガラス転移

 

一般的な性質としては、結晶性が低いことなどから電気抵抗率が高く、機械的には低弾性かつ高靭(じん)性で、疲労に強い利点もあるが、硬度が高いので加工が困難である。また、音波減衰率が低い利点があり、アナログオーディオ用フォノカートリッジのカンチレバーに応用される。さらに、各種物理量の温度係数(電気抵抗率・線膨張率・剪(せん)断弾性率・ヤング率)が低く、環境安定性や耐環境性を要求される部品に向いている。

 

カンチレバー

 

磁気的な性質としては、高硬度でありながら磁歪が発生しやすく、各種のセンサに用いられる。また、透磁率は高いが保磁力が低く、しかもヒステリシス損が小さいことから高周波特性に優れ、各種高周波用素子用材料や磁気ヘッドに応用される。さらに、うず電流損・鉄損も小さいので、昇圧トランスや電動機の鉄心にも利用されている。低温にすると超伝導を示すことがあり、希土類金属などを含む非晶質がマグレブ(磁気浮上鉄道)開発に応用される。

 

特殊な用途としては、耐食性が高い割に表面活性が高いことから、各種触媒やガス吸着などに応用され、また放射線損傷を受けにくいため、原子核工学分野で広く用いられる。

 

〔補説〕アモルファス金属は一般に熱力学的に不安定な状態にあり、ある特定の温度以上の雰囲気下では急速に結晶化が進行する。ただし、室温程度の温度では結晶化の進行は極めて緩やかで、完全結晶化するには地質年代程度の時間を要すると考えられている。

 

(本文ここまで)

 

 こないして書いてると、電子材料工学の面白いことが改めて実感でける。次回も結構楽しく書けるんやないやろか。