E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの電子工学用語集(26)

アンテナ工学はそない高度な学問分野とは言えんが、やたら難解な数学を使うなど雲をつかむような分かりにくさがある。せやから、電子通信工学科出身者でも大方が呑んで忘れてしもたある。

かく言うわしも、無線従事者国家試験(一陸技)受験のときにアンテナを再勉強したクチなんで、あんまし偉いことは言えんがの。


アドコックアンテナ

Adocock antenna

英国のアドコック考案の中短波受信用アンテナ。ダイポールアンテナをU字形に折り曲げ、その直下に逆U字形のダイポールアンテナを積層し、各々の給電点同士をたすき掛け状に接続して形成したものをU型アドコックアンテナと称する。中短波帯の送受信の他に、電波の到来方向を探知するのに用いられる。

ダイポールアンテナ

[詳説]電波の到来方向の探知は、原理的にはループアンテナでも可能である。ところが中波帯の測定の場合、夜間になると電離層のD層が消失するので、E層からの反射波の水平偏波成分をループアンテナの水平成分(円形ループアンテナはダイポールアンテナ2素子をループを含む面上に並べたアンテナと等価である)が感知するため、精確な方向探知が不可能になる。

→電離層・反射波・ループアンテナ

アドコックアンテナでは、上下の相対する素子の間に左右それぞれにv1, v2の電圧が誘起されるが、給電点を交差させて接続することでv1-v2の電圧が取り出せる。こうすることによって水平導体部分に誘起された電圧は給電点部分で打ち消され、水平偏波成分は受信されなくなる。これにより、垂直偏波成分への「8の字指向性」が得られ、方向探知の誤差が少なくなる。さらに、水平導体部分を接地された導体で遮蔽することにより、より高精度な測定が可能となる。

(本文ここまで)

実際、アドコックアンテナの動作原理を問う設問が平成元年7月の一陸技で出題されとって、無線技術としても結構重要なアンテナやとは思う(実際、地方電気通信監理局がVHE帯・UHF帯の移動電測車に搭載してつこてるそうやし)。盗聴器には遠くまで飛ぶ中短波帯の電波を使うことが多い思うんで、盗聴器探しにアドコックアンテナの出番になりそうや。