E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの電子工学用語集(24)

用語集や事典の類の文章は平板であっても正確で分かりやすなかったらあかん。読みにくかっては読んでもらえんし、読み方によっては複数の意味に取れるような不明瞭な文章では信用してもらえんさかいの。

辞典類は引くものちゅうのが世間一般の受け止め方やろうけども、読んでも面白いモンでなかったらあかんのやないかとも思う。せやかて小説みたいに盛ったらあかんので、正確さと分かりやすさで勝負するしかナイ。今回のようなプロセスについての説明が必要な項目では、それがより重要になるやろう。


厚膜IC

thick film integrated circuit

厚膜集積回路半導体基板上に各種の電子素子を形成する材料を塗布して作製される集積回路。塗布される材料(厚膜サーメット)の膜厚が数μmから数十μm程度であることからこの名がある。膜厚が大きく、しかも加工精度が低いので集積度を高くできず、素子の数値のバラつきが大きいので高周波IC製造に向かないなどの欠点があるが、熟練を要さず安価で平易なプロセスで製造でき、しかも材料の利用効率を高くできる利点もある。また、膜厚が大きいので通常のICよりも素子の耐圧を高くでき、高圧用・電力用ICの製造などに応用される。

[補説]厚膜についての膜厚の明確な定義はないが、概ね1μm以上とすることで大方の理解は得られるであろう。

[詳説]厚膜ICでは通常のIC製造工程で用いるフォトレジストのマスクの代わりに、スクリーン印刷技術により材料塗布のパターンを形成している。スクリーンはフォトレジストよりも加工精度が低く、素子の数値のバラつきが大きくなるが、厚膜サーメットを利用した素子形成や配線などの工程が単純な印刷と熱処理で可能となる。

→フォトレジスト

基板には耐熱性・熱伝導率の高さからアルミナ(Al2O3)などを焼結させセラミックとした基板やこれにエポキシ樹脂を塗布したものなどが用いられる。基板厚さは0.5-1mm程度のものが多く、フォトレジストをスピンオン法により塗布する必要がないので、ウエハの形状には円形以外のものも用いられる。

→ウエハ・セラミック

配線用の導体には銀(Ag)やAg-PdO(銀・酸化パラジウム)の粉末をガラス粉と混ぜたペーストを用いるが、トランジスタ形成にシリコンとのワイヤリング時に良好なオーミック接触が得られやすい金(Au)ペーストを用いることがある。

→オーミック接触

抵抗材料にはAg-PdOペーストやAg-RhO(銀・酸化ロジウム)ペースト・Au-Pt(金・白金)ペーストなどが用いられる。材料に高価な貴金属を必要とし、しかも地球上に微量しか存在しない白金族元素を用いていることがこの厚膜プロセスの課題となっている。単純なプロセスのため抵抗値にバラつきが生じやすいので、塗布された抵抗材料を部分的に削り落とすトリミングが不可欠である。

トリミングには細かな研磨粉をノズルから吹き付けることによって削り落とすサンドブラスト法が用いられて来たが、後に短時間でより高精度にトリミング可能なレーザトリミングが開発され、こちらが主流となりつつある。(本文ここまで)


厚膜サーメット

→厚膜IC

要するに、厚膜ICは銀ペーストなんかをインクに見立てて印刷の手法で製造されるICのことなんやな。太陽電池も印刷で製造でけそうな感触やし、これからは町の印刷屋さんが電気屋としても活躍する世の中なるかもしれんなあ。