E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの電子工学用語集(13)

 どんな用語集を作成するときでも、最も基本的な用語の説明文を書くことが一番難しい。文章の分量が多いのもあるが、基本的なことだけに誤解を招きやすいからや。今回採り上げる「アース」が第一の試練になりそうや。


アース

earth, ground

 訳語は大地または接地。電気回路や電子回路のある節点を大地(地球)と電気的に接続すること。特に電子回路のある節点を電源の負極など近似的に大地とみなせる節点と電気的に接続することで、電子関連ではグラウンドとも言われる。

[詳説1]高圧以上(高圧・特高圧・超特高圧)の電圧の電気回路では、感電防止の観点からアースが特に重視される。アースに直接接続された節点の電位を近似的に0にするためで、実際には土壌などの抵抗率の存在によって0にはならないが、漏電箇所に触れた人体などに大電流が流れるのを防げることから接地が行われる。一般の電気機器においては接地抵抗を100Ω以下にすることが求められ、銅や炭素の垂直棒・垂直円板・水平板を地下数十cm以下になるように埋設し、電気機器の筐体(シャシ)や平衡三相交流などの中性点に接続する。また、人体の衣服などに発生する高圧の静電気を大地に逃がす目的で、人体と大地を1MΩ程度の高抵抗を介して接地することが、静電気に弱い電子機器の製造現場などで行われることがある。特殊なアースとしては、直流電気鉄道の近傍の配管などにおける電食の発生を防ぐ目的で、軌条(レール)と配管とを整流器を介して接続することなども行われる。

[詳説2]電子機器のアースは次項のアースアンテナの動作など、電波の送受信のために用いられるものや、機器の発生する雑音電磁波を除去し、または外来の電磁波を遮断して雑音を除去する他に誤作動を防ぐためのもの、さらには、大地の電位が安定していることを回路の動作に利用するものなどに大別される。電子回路では、電源が電池などの場合、それが大容量のキャパシタとみなせることから、トランジスタの交流等価回路などでは電源を交流的に短絡しているとして、エミッタ接地回路・ベース接地回路などと称する回路がある。
 中波帯以下の周波数の送信アンテナは波長が長いことからそれにアンテナの長さを共振させようとするのが困難である。このことからアンテナの一方の極を接地させたアースアンテナが用いられ、受信側でもラジオの筐体などをアースとしたアースアンテナを用いている。
 雑音の侵入や輻射を防止するためには静電シールドや電磁シールドが用いられるが、これらのシールドは接地されることによりその機能が得られる。
 コンピュータ機器などでは、回路に電圧の安定した節点を設けて、個々のトランジスタ閾値電圧(スイッチング動作を行う最低の電圧値で、スレッショルド電圧とも言う)電圧のばらつきに対処する必要がある。この時に当該節点を筐体などに接続することで電圧の安定を図り、動作不具合発生を予防している。

(本文ここまで)

 アースのことを書こうとしたら、強電のことをしっとかんといかんのは言うまでもないけども、電気鉄道工学・電子回路学・アンテナ工学・電磁環境工学・電算機科学の知識もいんねんな。パソコンを自作するときには静電気に気ィつけんとメモリとか壊してまうんで、ドアノブとかを掴んで静電気逃がしてから作業しやんとあかんねんな。