E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・信楽高原鐵道(4)

 死者42名・重軽傷者614名の信楽高原鐵道列車衝突事故は、その後の信楽線にも暗い影を落とすことになる。信楽の列車乗ってて事故に巻き込まれて死亡したうち4名が本務運転士を含めた信楽社員と役員で、事故で運転士を全員喪失したことにより、信楽線は半年以上も運転休止に追い込まれてんからの。

 気動車2両が廃車になったんも痛かったし、事故の遠因にもなった小野谷信号場も現在では使用を停止しとる有様や。当然ながら折角の単線自動閉塞方式も事実上放棄され、信楽駅の出発信号も鎖錠され、貴生川駅共々引き上げ線まで閉鎖された。これにより信楽駅貴生川駅には常時1列車しか入線でけんようなって、閉塞方式もスタフ閉塞に戻されてしもた。つまり、「世界陶芸祭セラミックワールドしがらき'91」のための投資が全てムダになるどころか、却って経営を苦しいしてまうようなってしもた。

 それもこれも、信楽高原鐵道(以下信楽)にプロの鉄道マンが揃てへんかったんが原因や。信楽が鉄道事業をナメた代償はあまりにも大きかったちゅうこっちゃな。ところで、この事故の2年後、曽根悟・東大工学部教授(当時:現東大名誉教授)が「鉄道ジャーナル」No.316の『新技術の動向と技術開発の体制』に「若い有能な技術者は幸いにして鉄道を志望してくれているが、問題は指導層である」と書いておられた。当時、若手の鉄道技術者を指導する立場にあった中堅社員らは、国鉄末期の労使関係が極めて悪化した時代を経てるんで、概してその技術力が低い。ひょっとすると、そうしたことも影響しとるんかもしれんな。

 そういうことやから、会社の立て直しのためには有能な鉄道技術者の卵をリクルートするだけやなしに、彼らを指導でける技術者を招聘する必要もあることは特に強調したいとこや。他の三セク鉄道にも、信楽を他山の石として玉を攻めて欲しい。

 信楽線は陶芸の町旧信楽町を擁するんで潜在需要は多い思うけど、正面衝突事故や13年の杣川橋梁橋脚流失事故の傷も癒えてへんから、信楽が主体となった輸送力増強事業やれる状況には全然ない。せやけど、「世界陶芸祭」ん時には京都・大阪方面からもようさん来客があってんから、信楽とは別の事業者が京阪方面からアプローチする方がむしろ現実味がありそうや。

 本家の川島氏によると、関西線島ヶ原から北上するAルート、同線加茂からのBルート、JR奈良線長池を経て京田辺に至るCルート、Bルートの加茂手前で分かれて学研都市線近鉄京都線)祝園(新祝園)を経て近鉄けいはんな線に接続させるDルートが考えられてるらしい。

 Aルートは建設費が最も安いけども、関西線も電化せんならんし、速達効果は最も低いとされてる。せやけど、関西線はいずれ高速化しやんとジリ貧のままあかんようなることを考えたらそない悪い案ではなさそうに思う。ただ、路線長が短いだけに、新たな沿線需要を呼び込む効果が最も薄いんが欠点や。

 Bルートの利点は、関西線の電化・高速化と全然無関係になることやな。ただ、沿線に加わるんが京都府相楽郡和束町ぐらいで、Aルートに次いで面白みに乏しい計画て言えそうやな。

 川島氏はCルートを推奨しておられるが、確かにこれがいっちゃん面白い計画や思う。観光資源乏しからざる京都府綴喜郡宇治田原町を経由する上に、いわゆる「片奈連絡線」に代わる京阪間のバイパス候補にもなる。

 Dルートの問題点は、けいはんな線第三軌条方式やちゅうことや。せやけども、中央線の項目で言うたように架線も吊架するようにしたら、近鉄特急走らすどころか新幹線にでける。信楽線近江鉄道本線標準軌に改軌すれば、米原から東京まで直通でけるようなるさかい、東海道新幹線のバイパスにもなる。せやけど、リニアはいずれ新大阪かどっかに来るんやから、二重投資になってまうかもしれん。それはA-Cルートでも言えるけどな。

 リニア中央新幹線名古屋-大阪間のルートはまだ具体的に決まってへんけども、山陽新幹線と接続悪かったら意味あらへんので、恐らくは新大阪に来るんやないかて思う。ルートは線形が悪いと速達効果が減殺されるんで、東名阪や新名神とほぼ並行することになるんやないかな?んでから、信楽IC附近で新名神と分かれて京都市奈良市の丁度中間地点附近の城陽市附近でJR奈良線と連絡するルートを取って、京都と奈良の両方の顔を立てることになるんやなかろうか。外れたらゴメンやで。

 ほしたら信楽附近に信楽線と接続する駅を造ることもあり得るし(紫香楽宮跡辺りか?)、そないなったら信楽線を大規模に改造しやんでもバリューがかなり上がることなるやろうな。リニアは米原は経由せえへんやろから、近江鉄道本線と直通運転でけるようにはした方がエエ思う。線形改良は必要やろけど電化は不要で、当面は高出力気動車による運転で経費を節減して、余裕がでけてから電化に着手する。まあこれはリニアが信楽町を通ると仮定した皮算用でしかないんで、当然ながらリニアが具体化してから徐ろに事業を始めるべきやな。(しまい)

 信楽を書くんはキツかったがこんでようやっと終わりや。次回からは近江鉄道や。