E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・泉北高速(1)

 南海系列の鉄道会社としてはより歴史のある阪堺電車があるけれども、南海線高野線からの流れで泉北高速鉄道を先に採り上げる。一般では開業当初から「南海泉北線」と誤解する向きも多かったように思われるが、ここは南海とは全く無関係な「大阪府都市開発株式会社」いう第三セクターが一昨年3月まで運営しとった。

 第三セクターを上方の伝統芸能「べんべん」で表現すると「(べんべん)公営のようで公営でない(べんべん)、民営のようで民営でない(べんべん)。それは何かと尋ねたら、あ三セク三セク三セク三セク……」ちゅうとこか。つまり、国や自治体のみが運営する第一セクターでのうて、純然とした民営企業の第二セクターでもあらへん、自治体と民間企業が共同出資して設立された企業体やな。泉北線を運営しとった三セクは元々はトラックターミナルをやっとったとこで、南海に全株式が渡った今でもその運営は続けてるみたいやな。

 第三セクター鉄道いうたら国鉄分割民営化・JRグループ発足の前後に特定地方交通線を転換した地方の赤字路線のことや思う人もこれまた多いやろうけど、三セクでも神戸高速鉄道みたいに連日朝夕に満員電車が走る路線かてある。南部縦貫鉄道みたいに40年しか持たんかった三セクももちろんあるがの。

 泉北高速はこれらの会社に次ぐ三セクの古参で、71年開業当初は列車運行・車両保守整備・駅務などの業務を南海に委託しとって、さながら現在の鉄道事業法施行下における上下分離方式による第三種鉄道事業者みたいな運営しとったけど、車両は南海高野線の仕様に合わしてはおるが自前でセミステンレス100系を新製してた。

 その後、上記の国鉄分割民営化の煽りで86年に鉄道事業法が制定されると、車両も地上設備も自前の第一種鉄道事業者か地上設備だけの第三種鉄道事業者のどっちゃかになることを迫られるようなった。第三種事業者やと自分とこでダイヤ編成でけんようなってまうことから、完全に自主運営でける第一種事業者を目指す方向に転換し、運転士・車掌・駅務員とかも自社で揃え、車両保守のために光明池車両基地を建造してんな。これにより、高野線直通列車では中百舌鳥(区間急行は堺東。泉北ライナー」では基本的に交代はないが、光明池で行われる場合あり)で乗務員交代が行われるようなった。

 21世紀になって大阪府政を橋下・松井の大阪維新の会(現・おおさか維新の会)が仕切るようなると、府自ら出資してる関係で収益もそれなりにあるが運営コストもかかる大阪府都市開発株式会社を完全民営化して府がそこから徴税する立場に変わろうちゅう流れになり、一時は外資系に渡りそうになった。せやけど、その会社の運営環境が鉄道経営に相応しないと判断され、同じく買収に手ェ挙げとった南海に全株式が買収され、現在の運営企業である「泉北高速鉄道株式会社」が設立された。これにより泉北線は南海と同系列になったことで運賃の乗り継ぎ割引額が大幅に引き上げられ、直通運転も従来の各停・準急行区間急行に加えて昨年12月に座席指定特急が新設されて現在に至る。

 本来やったら最初から南海が敷設すべき路線やってんけど、60年代の南海は踏切事故を始めとした数多くのトラブルに見舞われて赤字に転落しとって、その上に南海線大阪市内-石津川間連続高架化・高野線三日市町-橋本間複線化の二大事業が控えとるんで泉北線建造や運営に捻出でける費用も人的資源もあらへんかったんで、大阪府からの建設要請を断らざるを得んかった。次に考えられたんが阪和線からの支線やけど、国鉄天王寺鉄道管理局(現・JR西日本近畿統括本部)は同線の天王寺-鳳間の輸送状況は既に飽和状態にあり、将来には泉南エリアの開発で輸送量がさらに増えることが予想されることから難色を示された。これが三セクによる運営決定までの流れらしい。

 いや、でも阪和線の支線なんかにならんでホンマに良かったで。今でこそ221・223系電車が走り、しかも「青春18」が使えるメリットがあるけども、70年代初頭の阪和線いうたらほらもう悲惨やってんからの。国鉄時代でも快速運転用に80系電車や113系電車が新製投入されてはおったが、普通列車用にはまだ63系電車が走っとってんからの。通勤用103系の冷房車が増えて来たんは80年前後になってからで、新製当初から冷房ついてて内装もデコラ張りでさらに空気バネも装備しとった南海6101系とは比較にならんかったわいな。線形のエエ泉北線を走るロクサンはそれなりに絵ェにはなったかもしれんが。

 次回は、主に泉北高速線のダイヤについて書くことにする。(つづく)

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