E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

「新しいみんなの公民」もあかんかった(62)

 教科書ちゅうのは言うまでもなしに勉強のために読むんやが、読んでてここまで腸が煮えくり返る教科書も珍しい。

 夕張市財政再建団体に陥ったんはもちろん閉山や野放図な観光投資とかもあるが、歴代市長をはじめとする市当局が財政赤字が巨額に膨らんどったんを隠蔽し続け、市議会もそれを見抜けんかったからでもある。そんな市長や市議会議員を選び続けた夕張市民も有権者としての責任がありそうやけど、正確な情報にフタをされとった訳やからやはり被害者としての側面もある。夕張がハタンした原因が自治体と地方議会とにあることを書かんで何の教科書じゃいアホ。

 それに、財政状況の表現の仕方にも問題がある。黒字には経常黒字と単年度黒字があって、大阪府は橋下のコスプレが知事になるまで例年単年度且つ経常赤字やったんを就任翌年に単年度黒字達成さしたんやないか。一気に経常黒字になることは常識的にはあり得んが、んなこと中学生がしらんでもしゃあないこっちゃから、こない誤解を招く記述はあかん。執筆者もあかんが監修者も検定する文科省もあかん。

 橋下がどないして府財政をプライマリーバランスに持って行ったんかの説明もツッコミ不足やな。橋下は、府下で行われる国の直轄事業に地元自治体も財政負担を強いられる実情を「ぼったくりバー」と扱き下ろし、この地方分権に反する悪習を改めさしたんやろうが。地域が国の事業をより地域に役立つものにする目的で財政支援するんは十分アリや思うが、中央が「受益者負担」の論理を水戸さんの葵の御紋みたいに振り翳して地方に負担を強いるんはセコイとしか言えんわい。

 大体、日本が工業大国になれたんは江戸期に当時の地方政府たる藩が農業振興して藩校を開き、地域も寺子屋とかの教育機関を整備したりして人材育成を図ったからやが、中央の徳川幕府は大した貢献はしとらん。それどころか大船建造や外来の新しい学問の導入を禁止したりと、むしろ国力を殺ぐことばっかしとってんやんけ。せやさかいわしゃ徳川タヌキ親父のこと好かんねん。

 国や自治体が予算を削ると公共事業が細って地域の経済が萎縮して税収が上がらんようになると言われ、それは一面の真実を衝いてはおる。せやけど、産業を振興するには適度な規制緩和経済特区の指定とか政策的な手法かてあんねんさかい、無駄遣いの疑いのある予算には大ナタを振るうんは正しい。ただその一方で、橋下は文楽にまで切り込もうとして批判を浴びたことも忘れたらあかんわな。政治家には明確で世に受け入れられるビジョンだけやなしに教養も必要やちゅうことを、このエキセントリックな地方政治家が世間に再認識さした格好やな。(つづく)