E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しいみんなの公民」もあかんかった(46)

 立法府のメンバーは国民が自由選挙で決め、行政のトップである内閣総理大臣立法府で指名される。せやけど、司法の頂点に立つ最高裁長官は内閣が指名するだけで、司法は行政・立法の言いなりかて思われるかもしれんわな。んでも、議院内閣制やさかい、首相は間接的ではあっても国民が選んだ訳やし、最高裁長官の人事には一応国民が関与しとることにはなる。




 んでから、裁判所は立法府に対して「違憲立法審査権」を行使することがでけて、行政府に対しても「行政訴訟」でもってその行動に掣肘を加えることは一応はでける。前者の好例は前にここで書いた「一票の格差」問題で、公職選挙法を「違憲立法」であるとする高裁判決がそれやな。総選挙の一票の重みが地域によって2倍以上に拡がっとる状態を司法府が糾弾したことに対して「統治行為」言うた代議士がおったが、こいつはこれまでこの伝家の宝刀が素っ破抜かれたケースが極めて少ないことを念頭に置いてこないな発言をしたんやなかろうか。これの最高裁判決が大法廷で行われるんか小法廷で行われるんかがまず気になるとこやが、前者の場合、その判決内容によって内閣がどないな動きをするんかが大いに注目される。




 つまり、最高裁長官の任免権は内閣が握っとって、行政府のお気に召さん長官を馘首にすることは容易い。せやさかい、もしか最高裁が一昨年の総選挙を「無効」やなんて判決下した時が見ものっちゃあ見ものやねんな。「選挙無効」判決を受けて「安倍首相、最高裁長官即日罷免」ちゅうような分かりやす過ぎるようなことにはさすがにならんとは思うがの。




 「行政事件に関する裁判」ちゅうのは、例えば行政の行為あるいは不作為によって住民などが不利益を被った事件についての訴訟のことであって、一般に「行政訴訟」いうやつやな。この行政訴訟は主観訴訟と客観訴訟とに大別されるが、前者は国民の個人的な権利利益を保護する目的のモンで、後者は客観的な法秩序を守る目的のモンである。これら行政訴訟には提訴するための資格要件が定められとって、例えば司法府が行政府を締め上げることを目的としてこの種の訴訟を濫発することがでけんようにしたある。




 「行政訴訟」と聞いて、いわゆる「行政裁判所」のような特別裁判所(憲法で禁止)と混同する向きもある思うんで一応注意しとかんとあかん。我が国で許されとる特別裁判所的な存在は、悪さした裁判官(検事総長ニセ電話事件の鬼頭史郎など)に対するお手盛り温情判決を防ぐ目的で国会内に設置される裁判官弾劾裁判所ぐらいか。なお、この事件には法務大臣の指揮権発動ちゅう司法権の独立に関わる微妙な問題が絡んでることも一応附言しとこう。




 ちゅうた具合に、最低でもこれぐらいの解説があらへんかったら、公民科の初学者には権力の分立が何のこっちゃらわからへんのやあらへんか?権力ちゅうモンは、一度暴走するととんでもないことになることは戦前・戦中の日本の歴史が示しとる。せやさかい、それが暴走せえへんように何重もの安全弁をかましとく必要があることを教えるんがここではいっちゃん大切なこっちゃねんやんけ。(つづく)