いわゆる「お買い物難民」の発生には、大規模小売店舗の無責任かつ無計画な出店が原因になることが過去に実際あった。それは誰もが忘れもせんあの「ダイエー」によってもたらされてんな。
ダイエーの拡大戦術は非常に単純で、地価が上がりそうな地方都市の中心部の土地を買うてそこに店舗を構え、その土地建物の評価額が上がったらそれを担保に銀行から融資を受けて、それでまた別の店舗を建てるちゅうモンやったな。この戦術はバブル経済の膨張もあって大成功するかに見えてた。せやさかい、この手法を批判する評論家も当時はあんましおらんかったんやろう。
せやけど、これは地価が右肩上がりやから通用する手法であって、このビジネスモデルはバブルの崩壊に巻き込まれる形で消し飛んでしもた。ダイエーに残ったんはべらぼうな借金と地方の不採算店舗の山ばかりなり。
当然、ダイエーとしても会社存続のためにはそれらの店舗を整理しやんとあかんようになるが、これでは長いことそれらの店で買い物してた客はハシゴを外された恰好になってまうわな。一企業の土地転がしに付き合わされてんさかい、客こそエエ面の皮ではあった。
ダイエーみたいな総合スーパーにせよ町の中小スーパーにせよ、それは確かに私企業であるものの、公共性の高いインフラでもあることを忘れたらあかんかった。大規模店舗の出店規制はこのためにもあるんであった。わしはここでも視野狭窄を起こしてしもててんがな。
結局、ここから得られる教訓は、市場経済の原理になすがままにするのには大いに問題があって、部分的には計画経済の手法を採り入れる方が健全な発展につなげれるちゅうことやな。「大店法」はそれを体現さすために制定された法律やった。
それがその大店法による規制が、低迷する国内経済をどないかしようちゅう規制緩和路線に乗っかる形で大きく緩められて、今流行りの吹き抜け式ショッピングモールの乱立になってんやったな。
ともかく、わしのとんだミスが原因とはいえ、3本分のブログが書けた。こういうんを怪我の功名ちゅうのか、それとも、コケてもタダでは起きん大阪人根性の発露ちゅうべきか。
次回からは本編に戻ることになるが、わしのことやからまたミスって今回みたいな書き直しがあるのんと違うかな。そんでのうても、公民は歴史よりも書きにくいテーマやからのう。(つづく)