E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

「新しいみんなの公民」もあかんかった(29)

 社会権についてやが、月3万の国民年金しか貰えん人がようさんおんのに、「健康で文化的な最低限度の生活(憲25)」はあらへんわな。んでも、年金制度変える方が憲法変えるよりも楽やねんさかい、はよどないかせえや。




 んでから、生活保護もうて高級外車乗り回しとる人がおんねんさかい、日本てホンマに有難い高度福祉国家やのう。




 さて、次は労働問題け。靖國に続いてまた書きにくいテーマやのう。せやけど、これは日本の公民を語る上で絶対に避けて通れんことでもあるんで、さらりと書いてしまいちゅう訳には行かん。




 労働者が労組などを結成して使用者側と交渉する権利があるんは言うまでもあらへんが、組合がその真の目的を外れて暴走したり、或いは会社に利用されたりすることがあることだけは絶対に指摘しとかんとあかん。前者の例は現在も継続中のJR北海道の問題であり、後者は先ごろ他界した山崎豊子の「沈まぬ太陽」のモデルと推定される日本航空(現在の日本航空と一応は別)の問題やな。




 JR北海道で頻発する事故の発生要因の一つには労組が絡んどることがマスコミからも挙がってるが、国鉄時代の不毛な労使間対立の反省が、分割民営化から四半世紀以上経ってもまだ為されてへんことに呆れ返る。JR北の前社長の自殺は組合からの激しい突き上げがその動機ではないかて言われとるそうやし、闘争のための闘争をし、敵対する組合同士が足の引っ張り合いさらしとるようでは、労働環境が改善されるどころか悪化するに決まったあるわな。他にも、「労働貴族」と呼ばれる社員から集めた組合費を好き勝手にしとる輩が少なからずおったりするんで、労組には正直あんましエエ感情が持てんのだわ。




 「沈まぬ太陽」では、労働環境改善のためにはストも辞さない構えの組合を、会社側が別に「第二人事部」とも言われる会社寄りの組合をこさえてそれを潰しにかかる様が描かれてるが、この「御用組合」も会社の存立を危うくする要因の一つに数えられる。この企業小説は日航の崩壊を予言したかのような趣きがあるんで、読んで面白そうではあるな。




 わしは会社に入ったらいつの間にか労組の活動に関わられさせられたが、これは会社とその労組が「ユニオンショップ協定」を結んどったからや。ユニオンショップちゅうのんは、その会社に入社した者は、ある一定以上の地位の者を除いて全員が組合(ユニオン)入って、会社を退職したら組合員でのうなるような事業所(ショップ)のことを言うらしい。会社に入る前からその会社の組合に入れたり、辞めた後でも組合員でおられるオープンショップはあまり一般的ではなく、産別労組が各事業所の組合の上部組織でしかない日本ではクローズドショップはあらへんそうやな。それに、組合専従の立場では労働の現場の問題をホンマに理解でけるんか怪しいんで、現場を知る非専従組合員のみが建前のユニオンショップに存在意義があることはそれなりに理解でける。




 でも、このユニオンショップちゅうのんは結構曲者で、労使間でユニオンショップ協定を締結できる条件は労働組合法で一応決められとるにしても、これが御用組合の母胎になっとることは否定し難いモンがある。労使の不毛な対立も会社や社員のためにならんが、労使協調ならぬ労使の馴れ合いかて会社を潰す。このような極めて大切なことを中学生に教えることを躊躇する理由はあらへん思うがでやろか?




 もっとひどいのになると、社長が「うちの会社では組合活動は認めません」などと平然と言い放つ会社があるやそうやが、これは論外である。でも、中小企業にはこんなんが結構あるみたいなんで、もしかそないなブラックなとこに入社してしもたなら、その場面をこっそり録画して、最寄りの労働基準監督署に駆け込むことをおススメする。その勇気がなかったらそんな会社辞めるこっちゃな。悪徳企業にそれと分かっとって勤務し続けることもまた罪と知るべきや。




 60年・70年安保闘争国労動労に負けず劣らず不毛やったが、それを通じて物事を穏便に解決する知恵を身につけた人もようさんおるはずや。んでから、鉄道会社の「集改札スト」は、公共性と労働運動の両立が取れたなかなかにんまい闘争手段や思う。一方で国鉄の「スト権スト」は誰が考えたんかしらんが、あれは最悪の手段やったのう。




 労働三権は、会社の健全な発展と労働環境の改善を目的として認められとることを中学におるうちにちゃんと理解しとく必要があるが、社会の授業中に寝とったら、JR北の組合員や破綻した日航の社員みたいにアホになるぞ。(つづく)