E-BOMBERのアホアホブログ

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(中央リニア新幹線)大阪には来ていらんが名古屋開通後は脅威

 今日(28日)の「や○きのNOマネー」で、三橋貴明ちゅう見るからに怪しげな経済評論家が「絶対にリニアを大阪にまで引くべき。でないと首都圏と中京圏が一体になって関西経済圏に襲いかかる」てなことを吐かしておったが、こいつの言うてることは半分大正解やけど半分大間違いや。




 リニアが名古屋まで通ったら首都圏と中京圏が一体となって関西に襲いかかって来るんは間違いではあれへん。せやけども、それは名古屋の富が首都圏に吸い上げられてまう副作用を伴うことは、小野五郎・埼玉大名誉教授の「ストロー効果」の理論から明らかや。リニアはついでに巨摩地方を中心とする山梨のほぼ全域の富も吸い取る。長野の伊那谷は元から経済規模が小さいさかい、むしろ観光客が増えて喜ぶかもわからんが、名古屋が吸い取れるんは同じく経済規模の大したことあらへん岐阜の恵那地方ぐらいやろう。




 名古屋がどんだけ凋落するかはリニアというストローのぶっとさにもよる。リニア開通直後は、64年開業直後の東海道新幹線がそうやったように、速達タイプ(ひかり)と各停タイプ(こだま)の毎時各1往復態勢になるやろうから、1日当たりの輸送人員はそない大したモンにはならんかもしれん。せやけど、それも最初の1・2年だけで、それ以降は今の新幹線並みに増発されてまうことは、余程のアクシデントでもナイ限りは間違いあらへんやろう。




 そないなったら、どこの会社かて東京勤めの社員が名古屋に朝早うから夜遅うまでおれるようなんねんさかい、そこに支社の類置かんでもエエようなるわな。観光客かて日帰りが激増するやろから、名古屋のホテルは皆経営が左前なってまうやろのう。長野・山形が新幹線であかんようなってしもたんをしらんのけ?




 結局の所、リニア・新幹線や高速道路は首都圏一極集中装置でしかなく、これが来たからて地元経済が発展することは必ずしもあれへんで、むしろ地方を地盤沈下さすだけのこっちゃねんがな。せやさかい、わしの本音は「リニアは大阪に来ていらん」のではあるが、そうは言うても、いずれリニアが大阪に来ることは避けれんし、それが来るまでに大阪も対策を立てとく必要があるんやなこれは。




 ただ、大阪が経済の地盤沈下対策を打つちゅうことが、大阪が関西の残り1府4県の富をストローで吸い取ってまうようなんではあかん。要するにストロー咥える口が大阪市一つだけやったらあかんちゅうこっちゃ。




 大阪府大阪市の他に堺・枚方とかもあれば関空を控えた泉佐野もある。兵庫かて姫路・豊岡があれば京都にも福知山や舞鶴がある。滋賀には米原彦根があって奈良にも橿原(八木)がある。これらのストローの吸い口を育てるような施策を打たんとアカンちゅうことやが、それには地元の公共交通機関の役割が大きい。




 JR西日本では現在大阪駅を中心としたアーバンネットワークを形成さして、これが一定の成果を挙げてる真実がある。現に大阪駅の乗降客数が他の駅を圧倒しとることからも分かるこっちゃな。ただ、これは京阪神圏の富を吸い上げた結果であって、「んめだ」が関西経済の牽引役にはなっとっても、関西全体の経済発展に最大限貢献しとるかどうかには疑問符が付く。せやからこれを部分的に改める必要性を感じる。そうは言うても、新快速電車を系統分離して利便性を落とすようなことを主張するつもりは毛頭ナイ。




 最初に、ここ数十年の間、地域経済の不振から抜け出されへん和歌山市を例に考えてみたい。過去の和歌山市の経済の中心は南海線和歌山市駅の方やったが、近年は阪和線の利便性が上がり、しかも南海線沿線の泉州エリアの産業低迷もあって、経済の中心はJR和歌山駅に移った。同駅からは紀勢線上り(新宮方面)・同上り(市駅方面)・阪和線上り・和歌山線上りと、JRでは上り列車しか出てへんことで知られる「日本一低いとこにある駅」と揶揄され、しかも「たま駅長」で有名なった和歌山電鐵貴志川線を含めて5つある隣の駅がどれも停留所(無人駅)ちゅう具合に、市内の経済状態はズンドコいやどん底に達しとる。ぶらくり丁も閑古鳥が鳴いてるらしい。




 阪和線は昼間の快速がナイんが不満やけど本数はあるんであんまし問題あらへん。紀勢線新宮方面や和歌山線かて一応は和歌山中心のダイヤになっとるさかい、後は御坊や橋本ぐらいまで快速電車走らすぐらいか。ただ、市駅方面が地元から半ば忘れ去られた存在になっとんはあかん。この区間は元々は南海の所有しとった経緯もあるし、ここは南海が第一(三)種鉄道事業者に戻って南海線の電車を乗り入れさした方がエエやろう。この電車の貴志川線への直通運転もオモロイが、今は話が別である。




 ほんでから、JR西が誇る新快速のより広い活用や。これには大和路・みやこ路快速とかの派生種別があるけど、それの拡大と見てもうてもエエやろう。姫路を例に取ると、既に部分電化しとる播但線を全線電化して、寺前まで快速運転する電車を全線に走らす。姫新線にはJR東海75系気動車みたいなんを投入して、上月ぐらいまで快速運転する。奈良圏では、関西線も全線電化して、奈良・加茂を通り越して伊賀上野・亀山まで快速電車を走らす。学研都市線は木津止まりやなしに奈良まで乗り入れる。近鉄も、大阪線奈良県区間橿原線の本数を増やす。京滋地区では、草津止まりの新快速を草津線に乗り入れさして、甲賀地方を大津に直結する。こんなことはリニアや新幹線みたいに篦棒なゼニかけやんだかて、せいぜいのとこ在来線の部分的な線形改良工事と在来線用の車両新造ぐらいででける話や。




 首都圏一極集中は、四全総に至るまでの全国総合開発計画で東京を中心とした総合交通体系を整備したことが理由なんは誰もが認めるこっちゃろう。それには新幹線・高速道路・空港・港湾設備の整備で巨額の資金を要したが、それらの設備の多くは老朽化が始まって、今でもようさんカネをつこてる。これからの関西の経済規模発展の手段は国庫の逼迫もあって首都圏と違う手段を取らざるを得んし、こさえんのにも維持すんのにもそないゼニのかからん在来線の充実こそが関西らしゅうてエエがな、てことになる。