E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(78)

 児島襄「朝鮮戦争」によると、この戦争は南北共に誤算の連続やったことが分かる。北朝鮮の側は、自軍が速やかに韓国全土を制圧してしもたら、米国の介入はあらへんやろうと高をくくってたらしい。せやけども、北朝鮮軍は洛東江北岸までしか侵攻でけんかったし、そないしてる間にマッカーサー率いる多国籍軍が仁川上陸を敢行して、北朝鮮軍は38度以北に押し返された。




 ところが、韓国軍と共に多国籍軍が38度線を越えると、毛沢東は「韓国軍が北を制圧するんやったら内戦やけど、多国籍軍までやって来るんは内戦のレベルを超えるこっちゃさかい、中国共産党義勇軍を派遣する」と宣言し、今度は韓国軍が押し返されることになる。「軍事境界線を越えても中国軍は動くまい」とした多国籍軍側に誤算があった。




 押しつ押されつの攻防が朝鮮半島のほぼ全域で繰り返し行われたことで、南北双方の国土は荒廃してしもた。この朝鮮戦争の悲惨な戦禍は、韓国と北朝鮮の双方にとって深刻なトラウマとなり、これが昨今の韓国と北朝鮮の国(但し、日本は朝鮮民主主義人民共和国を承認してはおらんが)としての姿勢を先鋭化さしてしもたとの分析がある。実際、これが後の「李承晩ライン」につながった。




 橋下のコスプレは以前、竹島を「日韓共同管理」やなんて吐かしとったが、こんなんは日韓基本条約ちゃぶ台返しして李承晩ラインを復活さすことに他ならず、竹島附近で日韓双方の漁船同士でいざこざが頻発するんを自ら招来するようなモンやがな。共同管理がうまいこと行かんことは、過去に日露両国民雑居地とした樺太で住民同士のトラブルが後を絶たんかったことからでも推察される。政治家には歴史の素養と文化への理解が必要やけど、文楽の問題を見たわかるように、橋下にはこの二つがかなり足りんらしい。




 南北両国の国内的には、国土全体が散々に傷めつけられたことで、双方の国力は大いに削がれたばかりか、深刻な離散家族問題を残すことにもなってしもた。戦争はこのような残酷な属性を持ってるモンなんやが、生憎と戦争の悲惨さを喧伝したからちゅうて、戦争を抑止することはでけんのが現実である。(つづく)