E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(41)

 この教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」によるものやなしに、正確にはそっから分裂してでけた「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(略称・教科書改善の会)」によるモノらしい。こんなモンわしに言わしたら、「教科書改悪を進めるアホの会」である。




 歴史は政府の暗部を赤裸々に書き記さんかったら存在する意味はあらへん。政府はなして足尾鉱毒事件の解決に消極的やったんかはっきりと書かんかいアホ。日清・日露戦争勝利の影に、渡良瀬川流域住民の多大な犠牲があったことを書けちゅうんじゃアホンダラ。原因企業名(古河鉱山(現・古河機械金属))を書かんのもけしからん。日本政府が非を認めたんが1993年ちゅうのんも注目に値する。歴代自民党政権の先輩(立憲政友会民政党)思いなことよ。さらに、昨年の大震災時に鉱毒堆積場が決潰して大量の鉛が渡良瀬川に流出するなど、足尾は21世紀の現在に至るまで後遺症を発してることも見逃せん。




 「教育の普及」の項目で、「中学校」や「女学校」が現在の中学校とはちごて、中等教育学校やったことを書かんと誤解されるど。




 細菌学者北里柴三郎男と内科学者青山胤通男とが演じた醜い争いを載すのんもオモロイのと違うんか?北里は脚気が細菌感染によるとの学説を否定して、それを支持する帝大の青山らと反目するに至ったが、青山は鈴木梅太郎の発見したオリザニン(V.B1)の欠乏が脚気の原因であることも否定した問題の多い人物ではある。「北里に与みする者は青山に何の業績なきを謗り、青山に与みする者は北里の治療に無効なるを罵る。されど共に当年医界の双璧とも、両太閤とも称すべし。孰れも医学が適当なりしか、政治家となりし方が適当なりしかと疑はる」とは三宅雪嶺「同時代史」の評言である。内科学と細菌学ちゅう、大きく異なる学問分野の研究者同士の抗争が権力闘争に擬せられてもまあ仕方あんめえよ。




 青山男に否定された研究者は多いみたいやが、細菌学者で偉人伝のスーパースターである野口英世もその一人やな。野口が恩人血脇守之助からもうた留学資金を蕩尽してしもて、血脇は呆れつつも改めて借財してそれを野口に渡したり、野口が学歴詐称東京医大卒の事実なし)や学位詐称(医博)しとったこともわしやったら書くけどのう。それに、野口の代表的な研究成果を「黄熱病の研究」はまずかろう。野口が黄熱研究に残した業績は、原因病原体が濾過性病原体(ウイルス)であることを示唆したぐらいやろが。細かいが、教科書は毛を吹いて瑕を求めるぐらいでないと正しい評価はでけん。(つづく)