E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(40)

 高校の時、「歴史なんか覚えるだけやのに、そんなんもでけん奴はアホや」ちゅうとった奴がおったが、わしに言わせれば、んなこと吐かす方がアホである。歴史はそない観念的なモンばっかしででけてる程単純やナイやろう。




 一例を挙げたら、英国の産業革命における織布と紡績の技術の発達史やな。ジョン・ケイが飛び梭を発明することにより、織布の効率が飛躍的に向上して、大きかった布の潜在需要に応える恰好になってんな。せやけど、なまじ織布の速度が篦棒に上がったモンやから、紡糸の需要が供給量を大幅に上回るようなってしもた。その問題を解決すべく、ハーグリーヴスはジェニー紡績機を、アークライトは水力紡績機をそれぞれ発明してんな。ほしたら今度は紡糸が供給過剰になってしもて、それを嘆いたカートライトが力織機を発明してんがな。




 これが所謂「唯物史観」で、歴史の動力学を明瞭に表してる。ほんで、唯物史観では、上に挙げた発明家たちは、それぞれ他の人物との互換性が高そうである。せやけど、源平の争いんとこでも言うたけど、唯物史観だけではうまいこと歴史を記述すんのんはムリがありそうや。歴史の正しい理解は唯物論と唯心論の真ん中近くにありそうな気ィする。




 岩崎弥太郎のこと書くんやったら、この男が外見も中身もどんだけ汚かったかを書かんとおもんないやろう。いつぞやの大河ドラマ龍馬伝」で出とった、香川照之市川中車)扮する岩崎は、余りのきちゃなさから岩崎家から文句が来たらしい。せやけど、アノ岩崎の見窄らしい姿は半士半農の郷士階級がどんなんやったんかをリアルに表現しとる思うど。




 維新後、岩崎は後藤象二郎から「明治政府が新貨幣統一のために藩札を買い上げる」ちゅうインサイダー情報をキャッチするや藩札の買い占めに奔走し、それをまんまと売り抜けて濡れ手で粟の巨利を手にしよった。その後、岩崎は海運業を独占して暴利を貪り、西郷従道らから「国賊」と呼ばれるに至った。おもっくそようさんゼニ儲けしよう思たら泥水を飲まんとあかんことを中学生に教えるんはナマナマし過ぎるんやろか。わしゃそうは思わんがのう。(つづく)