E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(29)

 歴史は過去の成功と失敗とから教訓を得ることが目的で、この教科書にはその意識が大いに欠けとるんが最大の問題であると最初に書いたが、それは幕末史にも大いに発揮されてて困ったモンや。




 黒船来航はこれまで潜んでた幕藩体制の矛盾が一気に吹き出す契機になったんやが、ここに書かれてるみたいな平板な文章では、それが読み手に全然伝わらんのである。徳川幕府を永遠に続かせることだけを考え、鎖国によって世界のトレンドから大きく立ち遅れ、大船の建造を禁止してたから海防も海運も発達せず、米東インド艦隊にただ恐れを為すばかりやったんであるとかちゃんと書けアホ。




 歴史は史実として未確定な事項を客観視し、史実については逆に主観的に書かんとあかんモンやろう。でなかったら、歴史の論文読んでもおもんない。せやのに、この教科書ではそれが逆になっとるかのようである。史実を客観的に書き連ねるだけで歴史が生徒の骨肉になるぐらいやったら、誰も苦労はせんわい。




 外交の実務は幕府が行うが、外交の責任者は朝廷やった。せやから、鎌倉期の元寇前夜、高麗使が来航した時かて幕府と朝廷との間での外交の主導権争いが起こった。朝廷には実務能力が根本的に欠如しとって、済し崩し的に幕府が主導権握った過去があるさかい、井伊掃部頭直弼はそれで乗り切れるて考えた可能性がある。




 ところが、幕藩体制は矛盾を解決でけんままに綻び、しかも屈辱的な内容の違勅条約に憤激する者が増えたが、井伊大老はそれに対して安政の大獄を以て報いた。井伊は「尊皇攘夷派」によって滅ぼされたとあるが、そこには既に「倒幕」が胚胎しとったんやがな。尊皇攘夷派は突然尊皇倒幕派に転化したんと違うちゅうこっちゃ。




 これは、現在の中国や韓国の反日運動についても言えることやさかい、それを中学生の段階で教えることは大変有益である。中国の反日運動は早晩反政府運動に転化するさかい、日本は中華人民共和国解体も睨んだ大陸政策を今のうちに真剣に考える必要がある。中国解体は長期的には歓迎すべきことなので、内戦勃発などで我が国に火の粉が降りかかることは覚悟しやんとあかん。ただ、韓国の反日運動がクーデタに発展したら、韓国の国力が一時的に弱体化して、北東アジアのパワーバランスが崩れでもしたらえらいこっちゃさかい、むしろこちらを注視する必要があるのとちゃうかな。(つづく)