E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(20)

 ここまで書いて来て、数少ない読者の皆さんにも、この教科書の問題は単なる叙述の荒っぽさだけやなしに、中学生に真実を教えんことにあり、その罪深さは十分伝わったやろうと思う。例えそれが目ェ背けたなるえげつない真実であったとしてもそれを受け止めて、二度とこないなえげつないことは起こさせまいとする強固な意志が働かんかったら、その悲劇が再び繰り返される確率が高なると思われるからや。




 二度と繰り返したらあかん悲劇いうたら、朝鮮半島満州など他国を侵略し、竹島北方領土という我が国の歴とした領土を他国に侵略され、無益の師を起こした結果我が国を焦土にされ、恐慌によって我が国に失業者が溢れ、ほんでから大飢饉によって最近の北○鮮でも起こったとされる「易子而喰(こをかえてくらう)」ことなどである。




 八代将軍吉宗徳川幕府中興の英主などと称されるが、それは幕府と武士の側からの見解であって、庶民の立場からは決して名君ではなかったとの見方も一応は成り立つ。それに、「神君家康」を理想に掲げた武断政治によって文治派の白石が黜陟せられたちゅうことは、教育という面では明らかに後退やがな。




 吉宗公を崇拝してる向きには悪いが、倹約令はアホでも出せる。上米令かて、米価が下がって窮乏する旗本・御家人を救済するんが主目的やってんからの。それに、こんなことしたら凶作なると米価騰貴すんのは当たり前やがな。享保の飢饉は吉宗が招いたとも言える。




 穀物価格が騰貴することが最終的には食人肉(カニヴァリズム)につながることは、桑原隲蔵の「支那人間に於ける食人肉の風習」という論文からも明らかや。桑原のその論文の冒頭で説くに「一国の歴史を闡明するには、その一国の記録だけでは不足を免れぬ」である。日本史の理解には東洋史も必要であるちゅうこっちゃ。




 年貢の取立て方法を検見から定免に改めたんも、幕府の財政再建が第一で、農民にとっては飢饉が起こったかて一定量の年貢米を納めなあかんねんさかい、これ以上の悪政はあらへんとも取れる(さすがに大凶作のときには減免されるが)。ただ、検見にはコストや手間がかかり、不正も少なからずあったらしんで、これは現在の税制の参考にすべき事例かもしれん。納税者番号制は少なくともコスト面での問題を解決する有効な手段である。




 吉宗がホンマに英主やったんかどうかを生徒に考えさすんが、ホンマの教育と違うのか。(つづく)