E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(16)

 江戸時代は、維新後に一気に近代国家として離陸するのに成功する条件を整えた、日本史上極めて重要な時代やから、それが中学生にちゃんと伝わるような作りを心がけやんといかんのだが、どうもそれがうまいこといってへんみたいやな。




 近代産業における生産の3要素は言うまでもなしに労働・自然・資本財やが、江戸時代の260年は、このうち労働と自然をじっくり涵養するのに大いに役に立った。




 労働ちゅうても中国みたいに人口増やすだけでエエ訳ではナイ。工場での働き手には読み・書き・算盤がでけんとあかんのだが、農民の商人化・元禄文化による商業と貨幣経済の発達・新井白石らの文治政治・藩校や寺子屋の普及などにより、武家だけやなしに農民や町人の識字率が飛躍的に向上した。これが幕府瓦解後に大いに役に立った。




 江戸期には大名の転封・除封も盛んに行われはしたが、大名は領地に根付いて、領内の農業生産を発展さすために、「木ィ伐った奴はクビチョンパ」ちゅうて、治山・治水事業に精出しとった。これは、農業生産向上だけやなしに、維新後には工業用水として役立てられてるんやがな。




 一方、李氏朝鮮みたいに中央集権やと、中央から地方に派遣された吏員が私腹を肥やす目的で農民から収奪するだけや足りず山の木ィまで伐り倒しまくって国中禿山だらけにしてしもた。こんなんでは耕作もでけんようなって、毎年春なったら食い物のうなる「春窮」に長年苦しめられてたんやがな。地方分権の重要性も江戸時代から学ぶことがでけんねんがな。




 ところが、この教科書からは、そないしたことが学べるようになってへんのが極めて大きい問題やとわしは思う。経済発展を目指す諸外国の人が日本から学ぼうとするんやったら江戸時代を学ぶべきやと言われんのにの。「日本が経済大国になれたんは官僚が頑張ったからや」て言うてる奴はアホである。(つづく)