まだこの「教科書もどき」は古代史も終わってへんのにまだ7回目である。ブログネタになるやろと思て買うたんは見事に当たったが、こんなんでは全部けなし尽くすんにどんだけ時間かかるやら。
「歴史の名場面」という読み物で「大仏開眼供養」を盛大に行った様が書かれとるが、それは民の膏血を搾ったからでけたんであることを一行も書いとらんのがけしからん。こんな教科書読んで国家公務員になったらシロアリ官僚なるんと違うかな。歴史には光の部分と影の部分とがあることを中高生に教えることのどこがあかんというのだ?
細かいことやけど、「なでしこ日本史その1」の光明皇后の行で「皇族以外の臣下」の記述が気になる。これでは皇族以外は全て臣下であると誤解されるかもしれん。中臣氏は天皇の臣下やけど豪族は臣下でないことをどっかで説明しとく必要があるやろう。この辺のことは氏姓制度のとこででけるこっちゃろうに、何でそれをせえへんのんか理解に苦しむ。
さて、ようやっと中世史にまで行き着いたが、「歴史絵巻~中世」の平清盛のイラストに「平氏にあらずんば人にあらず」もまずかろう。ここには一族の平時忠のセリフであることを付記する必要を感じる。教科書は正確且つ読者の誤解を恐れる作りでなかったらあかんからだ。
ここでも、武士の「棟梁」の語の使い方がなっとらん。源氏の歴代の棟梁は「多田のまんじゅう武士の始まり」で知られる源満仲や大江山の鬼退治の源頼光・頼信・頼義・八幡太郎義家・為義・義朝・頼朝ら「武家の指導者」であり、源氏や平氏など武士の氏族のことを指す語ではないやろう。この教科書の執筆者には歴史用語の使い方への神経が足りなさ過ぎる。
ようもまあ、文科省はこないなオンボロの教科書に検定合格のお墨付きを与えたのう。文部官僚と文教族議員を鏖殺したなってきたわい。(つづく)