E-BOMBERのアホアホブログ

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省エネももっぺん考えてみるかのう(4)

 現時点で一番注目されてる省エネ光源はLEDやちゅうのんは衆目の一致するとこやろう。んでもやな、これは確かに「電球型蛍光灯」を凌駕する発光効率(単位はルーメン毎ワット)を達成してるけど、でかい放熱フィンつけてることからもわかるように、熱損失(主にAC-DC変換回路によるものらしい)が結構大きい。LEDが半導体ちゅう、導電率が導体と絶縁体の中間の物質ででけてる以上、オーム損は宿命的に存在する。非発光再結合をゼロにするのもまず不可能に近い。せやから、ポストLED光源は、有機EL(エレクトロルミネセンス)やの、電界電子放出(フィールドエミッション)やの色々考えられてる。太陽電池の変換効率が高々30-40%なんも、半導体やから、オーム損もありーの、せっかく励起して作った電子・正孔対に寿命があって、外部回路に取り出す前に、再結合してしもて熱損失になりーのと、これまた様々な問題点があるからやな。


(ナノアンテナ)これは、新エネルギーのとこでも書いたやつやが、実はこれ、新光源の候補にもなり得るねんな。


 アンテナは可逆な回路素子(送信アンテナは受信アンテナにもなる。逆もまた然り)やちゅうことがその基本性質として知られてる。せやから、ケータイもトランシーバもアンテナ1本で送受信でけんねんな。普通、アンテナが2本以上いるんはダイバーシティみたいな特殊な受信方法だけやろう。トランシーバでは、アンテナは普段は受信アンテナとして働いて、PTT(プッシュトゥトーク)ボタン押してる間だけ送信アンテナになるんやな。ケータイでは、送信と受信とで周波数をずらして、固定電話みたいな全二重通信をアンテナ1本で達成さしてる。


 通常の送信アンテナが放射素子に誘起さした高周波電流を電磁誘導で電磁波に変換してるんに対して、ナノアンテナでは、高周波電場によってアンテナ表面のプラズモンを振動さして、それによって高周波磁界を起こさしてると思われる。まあどっちにしても、マクスウェルの変位電流による電磁誘導を利用してることに変わりあらへんねやろな。


 新エネルギーんとこでは、赤外線を「受信」して発電さす(もちろん可視光でも発電でけるが、アンテナが小さなって作りにくいし、赤外線の方が産業廃熱とかエネルギー源がより豊富に存在する)て書いたが、照明やらバックライトやらの光源にするんやったら、可視光線を発射するアンテナちゅうことになるやろう。LED電球が青色とその補色の黄色の光を混ぜて白にしてるんと同様に、青と黄色にそれぞれ共振するアンテナをアレイ(配列)するんやろな。受信アンテナとしての効率が80%以上やったら、送信アンテナとしても同等以上の効率で動作してくれることが期待でけるさかい、LEDの出番はのうなるやろう。もし、アレイ構造とかの工夫でコヒーレント光が出せるようなったら、半導体レーザもいらんようになる。


 でも、肝心の青と黄色の「高周波電流」をどないやって作るんかが最大の問題点になるやろうな。黄色で波長が大体600nm近くで、周波数にしたら500THzにもなる。青はもっと高い。こんなんどないして発振さすねん?


 せやな、ここでも真空ナノエレクトロニクス技術とナノ構造作製技術つこて、共振周波数が数百ナノメータの「空洞共振器」でも用意して、「ナノクライストロン」とかでもやるか?反射型クライストロンやったら、電子銃はともかく、箆棒に面積の小さいリペラ電極作るのしんどそうやなあ。電子も波長が数百ナノメータぐらいやったら、まだまだ量子効果が顕著になる段階ちゃうんで、どないかなりそうな気ィすんねんけどな。でも、大量生産でけそにないし、省エネなってもめっちゃ高いモンにつきそうやなあ。


 半導体技術に限界が見え始めた今日この頃、わしら電気屋はもっともっと広い視野と、数多くの視座でもって、これからの電気技術を考えていかんとあかんことを痛感する。せやけど、多くの電気技術者は専門外のことはさっぱりわからんちゅうのが大半で、こんなんでは新しい技術に挑戦でけるとは到底思えん。大学や企業にも、複数の専門を抱える技術者を養成でけるようするとか、改善の余地はあるやろう。でも、その問題解決するんはエンジニアの自己責任に帰する部分が大きい。何でや言うたら、そんな技術者を養成でける人材も、養成のためのノウハウもあらへんねんさかい、これはどうしょうもない。技術革新をより進めやすくする土壌をどないやって醸成するかが、これからの重要な課題になるんは間違いないやろう。(しまい)