E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

省エネももっぺん考えてみるかのう(2)

 曽根悟・元工学院大教授(東大名誉教授・JR西日本社外取締役)は、「鉄道がゆっくり走ったら、航空機や高速バスなどの、よりエネルギー効率の悪い乗り物に乗り換えられるだけだ。だから、省エネ性を若干犠牲にしてでも、鉄道がより高速に走る必要がある」と説いた。これにはわしも激しく同意する。


 ところが、DMVという乗り物は、最高速度がたったの70キロで、普通の気動車の110キロよりも随分遅い。その上、定員も30名にも足りず、気動車とバスの利点をへずったんを足し合わしたみたいな乗り物である。こんなんがホンマに過疎路線の救世主なるんかて疑問が出てくるんは至極尤もであろう。


 でもな、大都市圏に住んでる人で、ローカル線の状況がおわかりなんは一部やろう。通学客と通院客しか乗らんので、定員100名前後の重さ30-40トンの気動車1両編成に、昼間は数人しか乗客がおらんことも珍しない。ほな、もっと軽い「レールバス」にしたらエエちゅう意見もあるやろうが、このレールバスが曲者やねん。車体がヤワでエンジンパワーとのバランスが悪いみたいで、10年そこらで廃車なるんで、減価償却でけんねんやんけ。南部縦貫のレールバスは長持ちしたけど、あれはローパワーやったからのう。


 こんなんでは、増発によって客を増やすどころか、経営合理化で本数を減すことなるから、ますます乗らんようなる負のスパイラル落ち込んで、しまいには廃線の憂き目を見ることなるんやがな。せやさかい、定員は少のうても、ローコストで増便可能なDMVの出番なるんやんけ。


 DMVは1両2千万で、おんなし大きさのマイクロバスの倍近い値段やけど、気動車が1両1億数千万すること考えたら箆棒に安いし、車重も10トン前後なんで、軌道をあんまし傷めることないさかい保守費用節約なる。2両以上の併結運転・総括制御も技術的に可能なんで、複数の行先の列車兼バスを設定でける。バス停は鉄道駅よりも細かく設定でけるんで、ドアツードアまで行かんでも、それに近いサービスで、多くの乗客をひらえる可能性かてある。満杯の乗客ひらえたら占めたモンや。DMVに併結可能な一般の鉄道車両と連結して、高速運転さすねん。現状では、レール上でも後輪のタイヤで駆動さしとるが、高速運転時にはタイヤ浮かして走らすねん。ただ、DMVはホイルベースが長いんで急曲線の高速通過はムリやけど、将来は自己操舵台車や振り子とかもつこて、少しでも最高速度の上積みを期待したい。エンジンのパワーアップももちろんせや。


 ローカル線の大半は単線で、本数が増えたら列車交換(行き違い)が必要なる。これは列車の表定速度を落とすし、交換待ち合わせはわかっててもイラつく。でも、DMVやったら道路に逃げれるし、交換待ち合わせを解消でける可能性かてある。しかも事故不通区間も道路によけて運転でける場合もある。レールがのうてもエエちゅうことは、いわゆる未成線(例えば、錦川鉄道(旧・岩日線)の錦町-日原間(通称・岩日北線))に列車を走らすことかて可能になるし、国鉄再建のあおりで工事が凍結された区間の救済にもなるやろう。


 ここまで書けば、何でこんなんが省エネなるかわかるやろう。乗客数人のずっしり重いディーゼルカー+マイクロバスのフィーダー輸送と、乗客10人の軽いDMVのどっちが省エネかなんて、考えるまでもない。ただ、このDMVにも、改善されつつも未だ多くの欠点があることだけは最後に書いとく必要があるやろう。これはバスでもあるさかい、左側しか出口がないんやな。


 次回は、次世代フィーダー輸送の候補にもなりうる「エコライド」について書きたい思う。(つづく)