E-BOMBERのアホアホブログ

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八ツ場ダムは建設中止の方がエエのではあるまいか

 前原国交相が八ツ場(やんば)ダムの建設を中止することを表明し、ダム地元などから猛反発を喰らっている。


 60年近くもダム問題に翻弄されてきた吾妻地方の住民にとって見れば、「今更何を」なんはわしも理解でけるが、ダム完成後の弊害が60年どころか未来永劫続くことを考えたら、やっぱやめにした方がエエのではあるまいか?


 「何かに賛成し、あるいはそれを賛美する立場の人より、それに反対する側の方がより冷静である」と、昔さる評論家がどこぞに書いとったが、多分それは大きな間違いと違うやろう。そこでわしも、八ツ場ダムに反対の立場から書かれたHPをざっと見てみたが、より「こらァ作ったあかんわ」て気持ちを強うした。建設推進派のHPには、当然悪いことなどちょろっとしか書いてへんのんである。


 このダムの一番の問題は、水没等で移転先に宛がわれた代替地の危険性やろう。そんでのうても、吾妻川流域は浅間山とかから流出した溶岩・火砕流の影響もあって地盤が脆弱で、地すべり・崩落等の危険があることが夙に知られておるそうや。現在の川原湯温泉街などは、その中でも最も安全な場所を長年の経験等で探り当てた場所やそうやないか(まあ、渓谷の市街地やったらどこでもせやろうが)。かようにヤワな地盤の上にダムを造るこっちゃから、躯体建造が難工事になることはほぼ必至で、総工費は4600億からさらに上積みされる可能性が強いという。


 わしら電気屋が特に呆れるのんは、発電電力がダム完成後に却って減ってまうこっちゃな。東電にその分補償しやんとあかんやなんて、アホらしいにも程がある。


 ダム湖を観光資源と考えとるらしいが、専門家は、ダムの湛水が富栄養化して藻類とかが大量発生する可能性を指摘しておる。こんなんでは誰も寄り付かんわな。自然破壊はダムの上下流双方に及ぶ危険性があり、バス旅行が一般化した昨今、草津温泉ありとはいえ、JR吾妻線普通列車しか走らん過疎線に堕ちへんとは断言でけん。せやけど、もっとあかんのんは、ダム湖に膨大な運搬物が沈積して、ダムの寿命が長いこと期待でけん可能性があるこっちゃろうな。そんでのうても、これこさえたかて利根川流域の水がめの量が高々5%増える程度やろし、首都圏の水需要は漸減傾向に転じたそうやんけ。利根川の老朽化した堤防を改築した方が、よっぽど安上がりで治水でけるやろう。わしらんとこの地元の淀川かてそないすべきやろう言われとる。要するに、このダム造ったかて、エエことは殆どあらへん。甘い汁啜れるんは、例によって土建屋とか地元の一部に止まるやろう。


 吾妻川流域で有力な産業いうたら、中之条の太陽誘電(That's)ぐらいしかわしは知らん。日照条件が悪いさかい、農業を振興したくとも制約がある。あとは観光でやって行くしか思いつかへんが、大雨とかで川原湯温泉街の移転先がワヤんなる可能性があんねんさかい、そないなったら吾妻の魅力が大いに殺がれてまう。しかも、耶馬渓を凌ぐとも言われる渓谷美は、ダム完成で大いに損われてまい、使えんようなったダムを崩しても二度と元に戻らんやろう。


 ただそんでも、中止を前提にした地元との意見交換やったらやらん方がエエやろう。ナンボ上に書いた弊害があるちゅうたかて、これまでに3000億を優に超えるゼニを費消して来て、地元住民は何十年も前からダム完成を前提にした生活設計をして来た事情もある。民主のマニフェストもあろうが、前原大臣はよろしくダム建造問題を「白紙」にして、流域住民をはじめ諸関係者の意見に耳を傾けるべきやろう。ダムの害を丁寧に説明するのはそれからでも遅いことはあらへんやろし、情を尽くして理を説けば、理解は必ず得られるとわしは信じる。成田空港・三里塚問題が深刻化したんは、運輸省(当時)が地元の意向を無視し続けたからと違うんけ?今やってる工事はダムの付帯設備やら道路・鉄道の付け替えやらで、まだダムそのものの工事が始まったわけではあらへんさかい、後戻りする最後のチャンスやろう。これらの設備を生かしもってダム計画中止後の策を慎重に探って行く方向にうまいこと転換でけることを期待する。