E-BOMBERのアホアホブログ

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速報・中共崩壊への道(162)

今回から「桑原隲蔵全集」第二巻(東洋文明史論叢) (ISBN4-00-091332-8 C0322) の紹介に移る、第一巻にもまだ「支那の宦官」とか、紹介したなる論文が多々あるねんけども、この連載は中国や中国人を分析してその理解を深め、日本がそれにどない対処すべきかを探ることを目的にしたいんで、それに有用な論文を紹介することに注力するため割愛するで。
 
第一巻では順番がバラバラやったけども、第二巻では順を追って紹介したい思う。最初は「歴史上より観たる南北支那」や。中国は日本の何十倍もの面積がある国なんで、中国人の気質にかて分布がある。それを無視して十把一絡げに中国人ちゅうのもかなり乱暴な話や思う。黒竜江省人と西域人と広西人を同じやとは思えんさかい、これは読む価値あるやろう。
 
中国の国土をこの論文では二分(淮水と漢水を境界とした北支那と南支那)したあるが、先生も「南北の境界は一定し難い」と認めておられる。せやけど、歴史に言う「漢人」と「南人」の区別は淮水と漢水とを境にすんのが一般的みたいや。ただ、ここで言う「北支那」は遼寧(遼)・吉林(吉)・黒竜江(黒)・内蒙古・新疆(新)を含まず、「南支那」からは西蔵(蔵)・青海(青)・寧夏(寧)・広西(桂)・四川(川・蜀)・雲南(雲・滇)・貴州(貴・黔)が除外されたある。これは備考によると、これらの地(特に桂川雲貴の四省)は「住民も蕃漢相半の有様」やからやそうや。内蒙古蒙古族、新疆はウイグル族西蔵は蔵族、寧夏回族、広西は壮族がそれぞれ最大勢力なんは当たり前で、東三省(遼・吉・黒)では漢族が最も多いけども、満族朝鮮族その他少数民族を合わした数が漢族を上回る。せやさかいに、中原以外の地域は中国人の気質を測るにはあんまし適当ではあらへんのやな。
 
「(前略)北支那と南支那とは、地勢に於ても、地味に於ても、気候に於ても、物産に於ても、その他風俗人情百般に渉つて、顕著なる相違をもつて居る。故に南北支那の区別は地理学者から観ても、将た経済学者、言語学者、人類学者にとつても、随分面白い研究題目となるが、殊に歴史家にとつて、尤も興味深き問題となるのである」
 
それにや、漢民族ちゅうても、今の漢族と漢代の漢民族はちゃう。漢代の漢民族は今では「客家族」言われとんねん。「客家」は「よそ者」ちゅう意味で、この国では王朝交代の度毎に廃帝からその民草に至るまで全ての人々が辺地に追いやられることになったあるんやんけ。それはスケールのどでかい人物を生む原動力になったある半面、刹那的な思考を育む弊害の元にもなったあるて思われる。中国が人文科学の研究対象に好んで選ばれるんも当然どころやナイやろう。
 
ましてや、日本人が好むと好まざるとに拘わらず、この国は日本人に良くも悪くも影響を及ぼして来てんやんけ。それだけに、その研究成果を研究者の独占状態にしといたままにすんのは我が国の国益上もったいないにも程がある。日本の会社が中国に進出すんのも決して悪いて決めつけれんねんさかい、その時の参考になる可能性かてあるやろう。その進出する先が華北なんか華中・華南なんかで適切な準備の方法に違いがあってもおかしないやろう。
 
そんでのうても、彼の国は我が国に敵対的な態度を隠そうともせんし、いずれ一戦交える可能性を排除でけん状況にある。別に大陸に攻め込むであれへんでも、敵部隊がどこの地方で編制されたかによって、その戦い方に特色が見出されるかもしれんのや。せやさかい、地域による人民の性格の違いを把握することが無意味とは思えん。仮にこの国が民主化でもしようものなら、国土が四分五裂することは必至やねんから、今のうちのその準備しとくことも悪いことではあんめえ。(つづく)