E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの電子工学用語集(9)

 電子工学用語集を作成する場合、いわゆる「パソコン用語」を含めるか含めんかで、その性格は大きく変わる。もし含めるとしたらその見出し数は厖大になって、わしの手ェに負えんようなってまうやろう。それに、既に優れたパソコン用語集は世に出てるし、わしなんかがそれに対抗でける訳もナイ。せやさかい、パソコン用語は工学的に重要なん以外は飛ばさしてもらうことにしてる。


アクセプタ

acceptor

 半導体工学で、半導体母材から供給される電子を受容する不純物や空孔のこと。→ドナー

[詳説]元素半導体の場合、当該元素よりも原子価の小さい原子を不純物としてドープするとアクセプタとなり、それが電子を受容してアクセプタイオンが形成される一方で、母材に正孔が発生する。この正孔は負に帯電したアクセプタイオンに引きつけられるが、半導体では誘電分極の存在によりその効果は弱められる。よってこの正孔は自由正孔として電気伝導に寄与し、母材は正孔を多数キャリアとするp型半導体となる。例として母材が4族元素のシリコン(Si)のときの5族元素のボロン(B)の類である。このように、母材元素よりも原子価の低い不純物元素がアクセプタとして作用する。
 母材が化合物半導体のように価電子数の異なる原子同士で構成される場合、空孔が価電子数の少ない原子のものである場合にはそれがアクセプタとなる。また、化合物半導体のヒ化ガリウム(GaAs)にSiを不純物としてドープする場合、SiがGaの位置にそれと入れ替わるとSiはドナーとして作用し、n型半導体になる。一方、As位置に入った場合にはアクセプタになり、p型半導体となる。


(本文ここまで)

 GaAsの(111)面(ミラー指数による結晶面方位の表現)にはGa面(A面)とAs面(B面)があるが、A面にSiをドープしたGaAsをMOCVD(有機金属気相成長)法などで結晶成長さすとn型伝導を示し、B面ではp型伝導を示す。この性質を用いるとGaAs/AlGaAs(アルミガリウムヒ素ヘテロ構造の狭い所に電子や正孔を閉じ込めることがでけるんで、それを利用してナノデバイスや量子効果デバイスを作製する試みが成果を挙げてるみたいや。



アクセプタ準位

acceptor level

半導体工学で、半導体母材を構成する原子の価電子がアクセプタに捕捉され、それに伴って生成される正孔がアクセプタイオンにより弱い束縛を受けることによって母材の価電子帯附近に形成されるエネルギー準位のこと。→ドナー準位

[詳説]アクセプタイオンによる正孔の束縛エネルギーは10meV程度と、半導体母材のバンドギャップエネルギーに比べると2桁ほど小さい値なので、アクセプタ準位は価電子帯最上部のすぐ上の近傍に現れる。このため、室温よりも低い程度のエネルギーをもらった正孔は価電子帯に励起され(価電子帯の電子がアクセプタ準位に励起され)、自由正孔としてp型伝導に寄与する。


(本文ここまで)

 価電子帯は極低温では電子が充満してる言わば交通渋滞の状態なんやけど、アクセプタがあると僅かな温度上昇で価電子帯の電子がアクセプタ準位まで飛び上がり、その抜けた穴(正孔)を埋めるように電子が動いて行くんで、まるで正孔が電気伝導してるように見えるんやったな。実はp型半導体でも電気伝導を担うんは電子の方なんやな。