E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・阪和線(1)

 阪和線は昭和初期に阪和電気鉄道によって開業した路線で、天王寺(旧阪和天王寺)-和歌山(旧阪和東和歌山)間と鳳-東羽衣(旧阪和羽衣・山手羽衣)間の羽衣支線からなる路線や。単線電化区間羽衣支線を除いて全線に亘って線形の良好な複線電化路線でもある。関西空港線も事実上阪和線の支線的な存在であり、その運行系統も阪和線とほぼ統一されてるんで、ここでは関西空港線についても書くことにする。

 南海本線が大阪湾岸の比較的早期に開けた集落を沿線に持ってるのに対して、阪和線沿線に中心部があるんは和泉市和泉府中)・熊取町泉南市和泉砂川)だけで、乗客が増えたんは高度成長期を過ぎて開発の手ェがようやっと泉南エリアにまで入るようなってからや。

 線形がエエのは人口希薄やったからで、南海線が沿線の乗客をひらうのんに重点を置いてたのんに対して、阪和電鉄は和歌山への速達輸送を重視し、高速性能に優れたモヨ100形電車を途中ノンストップ運転して南海に対抗しとった。阪和電鉄のスピードへのこだわりは尋常ならざるモンがあって、掟破りの制限速度超過運転が半ば日常化しとったらしい。線形の悪い南海線は早い段階でスピード争いを断念して、冷房車の導入や壁面にデコラ張りをするなど接客設備に力を入れて対抗するようなった。

 この「超特急」の表定速度は満鉄「あじあ」をも凌ぎ、早くも戦前に標準軌で火床面積の広い蒸機を狭軌の電車が打ち負かしとってんな。つまり、電気運転の蒸気運転に対する優位性は1930年代初頭に既に阪和電鉄で示されとったんやけど、長距離運転の信頼性が証明されてへんかった上に、戦争もあったことから、長距離電車は戦後の湘南電車まで待たされることになってんな。

 ただ、線形はエエけど急勾配区間が存在し、貨物輸送は長い間勾配の少ない南海線に対抗でけんかった。戦時に国有化され、南海が戦後に貨物営業全廃される前後からも大糸線などと同じく勾配線区用の中型電機(ED16・EF15やED60)で細々と貨物列車を運転しとったが、国鉄分割民営化を前に貨物営業は全廃され、今では電機が入線することすらのうなってしもた。紀勢線直通臨時快速「きのくにシーサイド」はDE10牽引(下り列車はプッシュで、阪和線入線は後に上りのみになった)やったしな。

 阪和電鉄は不運の歴史を辿った。計画当初は現在の地下鉄大国町附近に起点を置いとったが、土地買収が不調でいきなり計画変更を余儀なくされた。せやさかい、今でこそミナミを上回る勢いのある天王寺阿倍野界隈やけど、開業当時はまだ「天王寺村」の雰囲気を色濃く残すB級ターミナルの天王寺を起点に選ばざるを得ず、しかも将来は国鉄に買収される条件つきで敷設認可を受け、さらには天王寺乗り入れのために南田辺手前まで立体化せんならんかって敷設費用が嵩んで、その借入金償還のために苦しい経営を強いられてんな。親会社然としとった京阪が手ェ引いて、南海に買収されてしもたんもそこに原因があった。ムリな高速運転で車両のヘタリが早かったんも原因やないかて思うがの。

 数年の「南海山手線」時代を経て国に戦時買収されてからの阪和線も、沿線の客は不遇をかこつことになってしもた。南海電鉄が民鉄初のカルダン駆動電車による特急を運転開始しても、それに対抗でける良好な乗り心地の電車は投入されへんかった。一応は新型湘南電車80系が新製投入されたものの、これは前述の通り長距離用でしかも平坦線用の電車あって、急勾配のあるインターアーバン路線には不向きやった。

 新快速運転用に転属投入された新性能電車113系で鳳のみ停車の運転を始め、ここでようやっと戦前の表定速度を上回ることがでけた。せやけども、鳳から先の乗車率が悪いんで熊取・和泉砂川にも停車ささんとあかんようなって、結局元の木阿弥になってしもた。80系は113系投入後区間快速とかに回されたけど、仮にも大阪近郊でデッキつきの2ドア車両を使うこと自体が間違いやったし、普通列車は長いことロクサンが走り続けとった。せやさかい、阪和線は、国鉄当時の大阪近郊区間で関西線と片町線と三つ巴の「古い電車争い」しとったんやんけ。

 ロクサンや湘南形が103系に置換された後もその状態が90年代初頭まで続き、関西空港線の開業と223系投入でやっと快速のアコモがJR京都・神戸線レベルを上回るようなった。せやけど、区間快速や普通には例によってまだ103系が残っとって、底上げがあんましでけてへんのが課題になったある。天王寺-鳳間はラッシュ時に優等列車が思うように走れてへんが、これも例によって車両の加減速特性があかんからや。

 次回からはこれらの事実を踏まえつつ、阪和線をどないしてレベルアップさすんかについて書いてみたい。(つづく)


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