E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

や○きた○じん、冥土に引っ越す(25)

 本来やったら先週の3日に書こう思とった同日の「や○きの委員会」の感想やけど、PCのOS異常があったんで1週遅れで書くことになった。

 今や「委員会」の名物になったある竹田宮殿下と加藤清隆の原発是非論争やが、わしは殿下に与する立場である。資源小国の日本が自前のエネルギー源になる可能性に縋りたなるんは分かるが、その前に溺れる者がワラをつかんだかて浮かべへんちゅうことはちゃんと理解しやんとあかんやろう。

 原発是認派の加藤の言うてることは核燃料サイクルがちゃんと稼動しとってこそ成り立つことやけど、その要になる高速増殖原型炉「もんじゅ」は2度も事故起こしよって、東日本の地震揺ったこともあって止まったままやがな。ナンボ声高に「政府はやろうとしてる」言うたかてでけへんねんさかいどもならん。加藤にもんじゅ再稼動のため敦賀市民らを説得する秘策でもあれば別やが。

 それに、高速炉の危険性は軽水炉のそれどころやあらへんと言われとるんやがな。高速増殖炉は文字通り高速中性子を利用してプルトニウムを増殖さす原子炉やが、一次冷却系には高速中性子を減速ささへん冷却材を用いやんとあかんので、減速効果のある水(軽水・重水)は使えん。そこで、一次冷却系に用いられるんはガスとか一部の液体金属(ナトリウムや鉛・蒼鉛(ビスマス))に限られる。

 もんじゅに用いられてるのはナトリウムやけど、これは空気や水に触れると火ィ吹くぐらい激しい化学反応起こしよるぐらい危険な代物で、現に、臨界から半年も経たん1995年12月に燃料漏れを起こしたときにはえらいことなって、もりもりとひり出された白い生成物質(酸化ナトリウムや苛性ソーダ)が不気味やったんを覚えとる。苛性ソーダの危険性は言うまでもあらへんが、酸化ナトリウムかて反応性がべらぼうに高い危険な物質やねんど。おまけに一次冷却系のナトリウムは放射能帯びとるんで、化学的だけやなしに物理的にもあむないねんやんけ。

 ほな何でそない物騒な物質使わんとあかんのかちゅうと、ナトリウムは鉛や蒼鉛よりも原子量が小さいんで軽く、ポンプで循環さすのに都合がエエことや、資源量が豊富で安価であることとかがあるらしい。また、液体金属は熱伝導率が高うてしかも熱容量が大きいんで、ガス冷却よりも高効率(但し中性子経済的には不利)で発電でけるからやそうや。二次冷却系にも金属ナトリウムを用いる理由は、一次系と二次系との間の熱交換効率の高さや、万一事故が起こっても、一次・二次冷却材同士が化学反応を起こさんからやからそうやが、そない言うたかて単独ででも反応起こすねんからそんなん無意味やがな。

 そないに反応性に富んだ液体金属をつことる訳やから、もし仮に炉心で核暴走が始まったかて、軽水炉みたいに水ぶっかけて治めることがでけんから、緊急炉心冷却装置みたいなフェイルセーフ機構を利用でけん。おまけに液体金属は水とちごて不透明やから、炉心の様子をモニタリングする術があらへん。これやから高速炉は「最も危険な原子炉」て評されとるねんやんけ。

 しかもや、実はまだ誰も高速炉の炉心からプルトニウム239を抽出した人はおらんと聞いてはますます怪しなってくる。フランスが「フェニックス計画」を事実上放棄した理由はどうもこの辺にあるらしいが、要するに「燃やした以上の燃料を再生産でける」やなんて美味すぎる話はあらへんちゅうことやあらへんけ?

 旗色が悪なると「でも原発二酸化炭素を出さない」ちゅう反論を試みるんが推進派の定式やけど、WW2終戦直後に世界中の炭酸ガス排出量が一気に増えたのにそれに連動して温暖化せえへんかった事実を連中はどない説明してくれんねん。温暖化は武田のおっさんらが主張してるように太陽活動の変化の方が正解の蓋然性が高いのと違うのか?

 原発にせよ高速炉にせよ致命的な欠点は高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のゴミの処理方法が確立されてへんこっちゃろうよ。高速炉で発生するゴミはより深刻で、濃硝酸にも王水にも溶けんさかい化学的に分画でけん上に、熱中性子(核反応に伴って放出される高速中性子が減速材で減速されたもの)どころか高速中性子ブチ当てたかて壊変せえへん厄介な超ウラン元素が拡大再生産されてまう問題があるそうやがな。化学的に分画でけんちゅうことは、それら超ウラン元素プルトニウムとを分離でけんことをも意味するんで、核燃料サイクルの根本に関わるこっちゃ。フランスが実証炉(スーパーフェニックス)まで漕ぎ着けときながら高速炉を放り出したんはこれが理由やないかて見られとる。

 窮すれば通ずの格言があるように、核なんぞに頼らずとも、エネルギーの問題は科学と技術の力で遠からず克服でけるとわしは信じる。科学が万能であらへんことは核兵器の存在によって端的に示されとるが、どのような存在にも必ず二面性があるねんさかい、わしにはそれに賭けるだけの価値がある思う。それはやな、人類の可能性に限界があるやなんてネガティブな思考が精神衛生上エエことあらへんからに決まったあるやないか。(つづく)