E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

過大な人口も中国を滅ぼす(3)

 日本人にはあんましピンと来えへんやろうが、年間降水量の少ない地域に開墾した田畑に水引いたら往々にして塩害が発生すんねんやんけ。日本で塩害が発生するんは標高の低い沿岸部に限られるが、これは降水量が多いんで農業用水に含まれる塩分量が少ないことと、常時大量の雨が降ることで土壌に含まれる塩分が洗い流されることが理由やねんな。せやさかい小さい子供に「海の水は何でしおからいねん?」て訊かれたら、「陸地の塩気が雨で溶けて海に行くからや」て言うたったエエやろう。




 おまけに、水分子はその立体的構造から電気双極子モーメント(electric dipole moment)を持っとるんで、地表に水引いたらそれによる静電気力と、流体の狭小な隙間を遡りやすい性質である毛管現象とによって地下水を呼び上げる。一般に乾燥地帯の地下水には塩分が多量に含まれてるんで、これがまた塩害を深刻にすることになんねんな。個々の水分子はランダムな向きを持ってるけれども、滑らかな平面にN(S)極同士を突き合わして棒磁石(磁気モーメント)を置いたかてこれらの磁石は回転してしまいにNとSが引っつくことは小学校の理科でやった通りで、それと似たような理屈で塩水が吸い上げられてまうねんやんけ。




 さらに厄介なことに、単位面積当たりの収穫量を増やそうて化学肥料を施したら、それに含まれる塩分がこれまた塩害の原因になってまうそうや。そんでのうても中国は多大な人口を抱えてるだけに収穫量増大は非常に重要な命題なんで、過度な施肥をして農地を台無しにしてまうケースが頻発してまうらしい。




 せやから、中国内陸の乾燥・半乾燥地帯で植林の効果などによって新たに耕地がでけたからて手放して喜ぶんはまだ早い。そこで塩害が発生した場合、土壌の入れ替えを繰り返すなど根気良く土質改良を行う必要がある。島根県安来市の「どじょうすくい」は地味改良のための「土壌掬い」やちゅう説があるそうやが、(「ナ〇トスクープ」によると「泥鰌」も取れるらしい)これは狭い面積の国を大事に使おうちゅう姿勢を示すモンなんかもしれんのう。




 ところが、前回言うたように中国では先祖代々その農地を大切に受け継ぐような慣習があらへんさかい、塩害が発生してワヤんなった農地を打ち捨てて別のとこで耕作しようとすんねんやんけ。こんなことばっかやっとるさかい、国全体が塩の砂漠になってまうねんやんけ。中国共産党上層部には理系の人材が多いそうやが、こんなこともしらんようではパチもんの理系と断ぜざるを得ん。




 つまる所、中国人は自らの手でその国土を塩の砂漠にしてまうことに何の抵抗も感じてへんのである。こんなことやっとるさかい内陸では次第に喰えんようなって、人民が沿岸部へ外国へと引き寄せられる「盲流」に拍車がかかるんではなかろうかて思うねんやんけ。おまけに中国は農業人口かて多いから、砂漠化の面積速度も高なるわいの。国民が自国の土地を荒廃さすことを止められんような国が持続的に発展でける訳があらへんやろう。せやさかいわしは世界の経済学者や経済評論家は節穴や言うねんやんけ。




 わしは中共の滅亡を願うものではあるが、決して中国人が飢えて苦しむことを願うものとは違う。北京政府のアホ共は即効性のある政策しかよう繰り出さんやろうが、それが何よりも中国の国土を傷めつけとることになっとるんやんけ。せやから中国共産党が指導する今の政府には何ら期待することはあらへんが、その次に樹立される政府には、即効性はないものの教育と同様に国家百年の計である治山・治水事業に国家予算を傾斜配分して、この国の塩抜きを徹底して行うことを願いたい。なぜなら、それは中国とその民の発展のためだけやなしに、わしら日本国民の安寧のためにもなるからや。政治も経済もグローバル化した現今、中国の混乱は日本にも悪影響を及ぼす。それに、カラカラに乾いた砂漠に雨は降らんが、森林は水蒸気の発生源なんで雨を呼ぶ。んでも、四千年にも及ぶ易姓革命の歴史は拭い去り難く、それが国全体で実行に移される見込みは極めて薄い。




 経済を論じるんに人文科学の知識が必要やてことはこの連載の(2)で言うた通りで、今回の(3)では数学以外の自然科学の知識の必要性を説いた次第である。世を経り民を救うんには幅広い智識や智慧を糾合することが不可欠やちゅうこっちゃが、今の経済学者らのテイタラクでは世界の混乱は止まりそうにない。わしらはどないしたエエのやろうか。(つづく)