E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しいみんなの公民」もあかんかった(1)

 各方面から好評も不評も頂かんかった「『新しい日本の歴史』はやっぱしあかんかった」に続いて、その姉妹品とでも言うべき「新しいみんなの公民」についてもあかんと思うとこをこれから書き始めることとする。ただ、わしゃ社会科学の知識はあんましあらへんのんで、「-歴史」みたいな長ったらしい連載にはならんのではないかと思われる。せやけど、現在の我が国の政治・経済・社会・倫理にはまだまだ問題がようさんあることぐらいは認識しとるんで、一市民の立場からの批判を試みたい思う。




 さて、この教科書を最初に手にしたときにまず呆れたんは、あの欠陥教科書に対して賛辞を贈っとった節穴連中がまたぞろ腰巻に雁首揃えとったこっちゃ。公民教科書の批判には歴史教科書を批判するよりも難しいんで、こいつらに教科書の善し悪しを判断でけるとは到底思えんのである。彼らの殆どはエセ文化人やねんさかい、その賛辞は当てにせん方が間違いは少ない。




 まず、重箱の隅をつつくようではあるが、「歴史はタテ軸・公民はヨコ軸」には首をひねらざるを得ん。公民の目的は現在の政治・経済・倫理・社会・文化などについて論じるだけやなしに、現在のそれらにおける問題を将来世代のために改善することにもあることを忘れたらあかん。つまり、公民ちゅうのんは時空間を持った科目やねんがな。




 ほんでから、この教科書の構成を「民主政治」「日本国憲法」「財政・福祉」「市場経済」の4本柱にしてるんは一見マトモそうやが、その実これでは明らかに問題がある。何でやちゅうと、これやと公民の初学者に、民主政治は最良の統治手段であって、なおかつ現行憲法が不磨の大典であるかのような誤解を与える可能性が強いからや。




 わしが思うに、民主政体は現状では我が国にとっては最良やろうとは思うが、人類の知恵には無限の可能性があるて信じてるんで、それよりも優れた統治機構を発明することは不可能やナイ思うんやんけ。それに、直接民主制の問題に王政と共和政の違いとか、擅制君主制立憲君主制の違いとかも教えんと、何で現在の間接民主制に落ち着いたんかも理解でけんのと違うか?




 新憲法にしたかて、公布されてから早67年が経過し、旧憲法よりも長い歴史があるだけにその綻びも目立つようなって来た。おまけに9条2項みたいな欠陥を抱えての船出やったしの。




 財政・福祉に市場経済のことを教えるんは当然のことやが、これにしたとこで、現在の管理通貨制度・外国為替市場経済のシステムだけを教えるんでは中学生には理解し難い。バーター経済に原始共産制、計画経済、金本位制・固定相場制の仕組みやその問題点も教えやんと、現在の制度についての深い理解がなかなか得られんやろう。




 中学の公民科は周知の通り高校の現代社会や政治経済の入門編でもある。中学を卒業して高校に入ったばっかりの生徒がこれを再び手に取って見るに堪える作りにしやんと、「-歴史」同様にゴミ箱か古紙回収に直行やぞ。(つづく)