E-BOMBERのアホアホブログ

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「新しい日本の歴史」はやっぱしあかんかった(63)

 これまでこの教科書のあかんとこを書きたい放題書き連ねてきたけどの、いよいよその一番あかんとこがやって来よったで。それは、日本の敗因の明快な分析がまるであらへんこっちゃ。敗戦国の歴史に敗戦の分析があらへんとは呆れるより他にナイ。こんなんでは、次の戦争に負けるやろうし、福島第一原発事故にしたとこでせや。「原発は安全」は「無敵帝国陸海軍」とおんなし論理やが、この日本史上最もえげつない事故こそ、過去の歴史教育が全然なってへんかったことを表す動かん証拠でもあるやろう。




 教科書やから歴史小説みたいに辺幅を飾ったり史実を歪曲したりしたあかんが、執筆者が判断停止した文章は読むに堪えない。読んでオモロイ教科書を熱望するものであるが、それが実現するんは何時のことになるやろか。それとも未来永劫砂を噛むような味気ない教科書のママなんやろか。




 国防方針の策定は、国家の存亡に関わる最重要事項である。然るに当時の日本は、陸軍と海軍が各々独立して策定しとった。こんなんでは国防力が分裂するし、しかも軍閥が政権を握っとったら、政府の外交方針にまでその弊害が現れてまう。




 外交的孤立の解消を同じく欧州で孤立しとったナチス・ドイツとイタリアに安易に求めたこともいかんかった。しかも、よりによってロシアをも巻き込んで四国協商を目論んどったとは呆れるばかりである。日本はその地政学的な考察によると、朝鮮半島が生命線であり、その朝鮮半島を狙うのは中国とロシアのどちらかである。せやさかい、この二国こそが仮想敵国になるべきであって、その筆頭は、共産主義を標榜するロシアやろう。




 ところが、ロシアが第一の仮想敵国では、海軍の仕事場が少ないちゅうしょうもない理由で、海軍では南進論が盛んに唱えられるようなってんやんけ。正に「海軍は海軍あるを知って国家あるを知らず」である。一方の陸軍も、ロシアの機動部隊とノモンハンで衝突して「大敗」を喫し、次第に南進論に傾いて行った。陸軍にかて国防思想の存在など微塵も感じられへん。今の民主党政権同様に場当たり的な対応に終始した挙句の果ての敗戦やったと言えるやろう。無敵帝国陸海軍の正体がこれやから、負けて当然やな。




 敗戦の要因はまだまだようさんあるで。それをできる限り挙げやんと、教科書にも教科書批判にもならんので、それだけで数回分を費やすことになるかも分からん。(つづく)