E-BOMBERのアホアホブログ

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福島第一原発事故の衝撃と恐怖(2)

 震災の被害総額は最大26兆円にもなろうかちゅう試算があるらしい。息の長い支援が必要やちゅうことなんで、募金箱は短くとも10年は置いといてもらいたい。


 都内の浄水場の水からも、放射性物質ヨウ素131が検出されたらしいから、今すぐ慌てることはないやろうが、暫くは事態を注視しといた方がエエやろな。


 「1ベクレル(Bq)」やなんて言われたかて、わしも全然ピンと来ェへんがな。もちろんわしかて、仮にも弱電屋を名乗っとんねんさかい、「ベクレル」ちゅうのんは、1秒間に崩壊する放射性元素の個数、すなわち「放射能」の単位やちゅうことは知っとるが、「崩壊」ちゅうたかて、α崩壊、β崩壊、γ崩壊て種類があんねんし、α線β線γ線と、人体に及ぼす影響が違うねんさかい、どの放射性物質がどない崩壊すんのかがわからんかったら、「ベクレル」の数値だけ持ち出されても何の意味もあらへん。これはせめて「シーベルト」に換算しやんといかんとこや。


 質量数131の放射性ヨウ素半減期は8.04d、つまり8日ほどでその半分がβ崩壊してゼノン131なる希ガスに変化(化学変化とは違う)して、β線(電子)とγ線(光子エネルギー100keV以上の電磁波)ちゅう「放射線」を出す。せやけど、その放射線のフラックス強度とかが客観的な数値、つまり、人体にどの程度影響を及ぼすかがわからんかったら意味あらへん。そこで編み出されたんが「シーベルト(Sv;わしはこれの「S」を「C」て間違うて書いてた)」やな。せやけど、その算出方法は随分雑で、γ線は光子エネルギーに無関係で荷重係数は全部1である。当然ながら、人体に及ぼす悪影響は光子エネルギーが高いほどえげつないんで、シーベルト値にしたところで、一応SI単位であるとはいえ、「目安」に近いレベルにとどまる。


 そんでも、核物理学関連で、人体に及ぼす放射線の値を客観的に示す指標がシーベルトであることに変わりはないんで、ベクレル単位で表されてはわからん。変換過程はわからんが、ヨウ素131の1ベクレルは、22ナノシーベルトらしい。


 つまり、水1キロ当たりヨウ素131の放射能が100ベクレルちゅうことは、1日にヒトが飲む水を2キロとしたら、年間にヒトが体内に取り込む放射能は73キロベクレルで、この放射能の体内被曝線量当量は、僅か1.61ミリシーベルトに留まる。実際は、代謝の過程によって体外に排出されるんで、もっと小さい値になる。乳児の場合はもっと厳しい指標で計算しやんとあかんのだが、半減期が短いヨウ素131のことなんで、慌てるには及ばない。


 つまるところ、タイトルには「恐怖」と書きはしたが、世間一般のレベルでは、今回の「放射能漏れ」は大した事はないちゅうこっちゃ。せやけど、福島の現場で放水作業を行ってる消防士さんたちこそが、ホンマの恐怖を味わってることだけは言うとかんとあかんやろう。「安全に万全を期する」やなんて、わかったようなわからんような国会答弁を弄して作り続けられた原発やけど、その最大の被害者は、原発の現場で働く人たちであり、意に反して建造された原発の周囲に住み続ける住民なんである。わしは以前「原発推進派の立場も、反対派の立場もそれなりにわかる」と書いたが、地震大国日本において、原発の安全に万全を期することは事実上不可能であったことが判明したんで、「節電にこれまで以上に協力するさかい、もう原発はやめにしようや」て主張することに変えたい思う。変節漢の謗りは甘んじて受ける意である。


 今んとこは「恐怖」ではないものの、状況は刻々と変化する。ホンマの恐怖にならんことを祈るしかない。