E-BOMBERのアホアホブログ

アホなことであろうが何であろうが、わしは書きたいことを書く。ガンバレ○神タ○ガース!

福島第一原発事故の衝撃と恐怖(1)

 今回の震災では、震害よりも津波の影響による災害が大きかった。「以前、津波警報出たとき避難したが何もなかった。今回、大津波警報が出たが避難しなかったので津波に飲まれた」とは、とんだオオカミ少年であった。「避難所に来たが、家に忘れ物を取りに帰って津波に巻き込まれた」人もいてるという。無念の極みやで。


 わしはこの地震で真っ先に「東北電女川原発大丈夫か?」て考えたが、より深刻なんは、震源地からより遠いとこにある、東電福島第一原発の方やった。こっちの炉の方が老朽化進んでて、より古い基準で建造されてんさかい、言われてみたらそうかて思うわなあ。


 緊急炉心停止装置が異常なしに作動して、制御棒がちゃんと挿入でけたらしいんで、チェルノブイリの悪夢は「当面は」避けられた。せやけど、それはただ中性子の衝突による連鎖反応が止まっただけであって、炉心に残ったある個々のウラン235の核分裂が止まったんとは違う。つまりまだ発熱は続いとるんで、あんだけ水ぶっかける必要あんねんな。何せ、使用済み核燃料かて熱出し続けとるそうやからのう。


 水かけ続けやんと炉心溶融がさらに進んで、よりようさん放射性物質が漏れ出すばかりか、溶融した核物質が一つ所に集まって「臨界質量」になってしもたら、JCO東海事業所の臨界事故を遥かに超えて、チェルノブイリの惨劇の二の舞やで。水に硼酸混ぜてぶっかけてる理由はここにあるんやろう。硼素(ボロン)には、中性子を吸収して連鎖反応を抑制する効果があるんで、これをやると廃炉は決定的やけど(海水ぶっかけたんで廃炉決定との話もあるが)臨界・核爆発事故防止のためにはしゃあない措置やな。


 放射線による人体への影響を「胃のレントゲン程度」「CT程度」とか言うとるが、そんなんでは全然ピンと来ェへんで。でも、もしかそれがホンマやったとしたら、CTの被曝放射線当量(単位はシーベルト;Sv)いうたら相当な量(およそ6mCv)で、人体への悪影響が疑われるレベルらしいさかい(総放射線量が多いと言うよりも、短時間に大量に被曝することが問題のようであるが)、そろそろシャレならん状態やちゅうこっちゃんけ。


 マスコミとかで使われとる各地の放射線の単位は、単位時間の被曝放射線当量(Sv/h)であって、その量を知ったからちゅうて、そんだけでは何の意味もあらへん。


 もし仮に、ある測定地点での単位時間当たりの当量を1μCv/hとして、ほんで、屋内におるときの当量をその十分の一とする。1日で屋外におる時間を4時間、家やビルとかの屋内におる時間を20時間とすると、1日あたりの総被曝当量は、


 1×4+0.1×20=6(μSv)


であり、1年間の総被曝放射線当量は、これに365を乗じた値であり、2.19ミリシーベルトとなる。年間許容当量を400ミリシーベルトとすれば、これ位やったらばまあ無視できる値ではある。ここから逆算すると、年間400ミリシーベルト以内に抑えようとするには、単位時間当たりの当量を、概ね180マイクロシーベルト/時以下に保つ必要があるんがわかる。但し、この値は成人の場合であって、子供や妊婦さんとかの場合はもっと下がる。ともかく、こない計算しやんと、物理的にも疫学的にも意味のある数字にならへんことに注意せんならん。


 福島県茨城県産の食品の放射能汚染が報告されたし、事は、浜通りだけの「対岸の火事」ではあらへん。わしは弱電屋であって、電力や原子力の門外漢やけど、福島原発事故について気になったことを書くことにしよう。