E-BOMBERのアホアホブログ

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計算尺を初めてつこてみた

 シャノンの情報理論関連のことをネットで調べとったら、偶然「計算尺」に行き当たった。


 Wikipediaの「計算尺」の項目見てみたら、わかりやすい図示で説明しとったんで、「これはひょっとしたら、使えるようなるんやないやろか」ちゅうことで、どこ行ったんかわからんようなった計算尺を発掘して、早速つこてみることにした。ネットでググったら「計算尺推進委員会」の、より詳細で分かりやすい説明があったんで、尚更やりたなった。


 掘り出したんは、型番は書いてへんが(No.159て書いたあるがこれが型番け?)、何しかリコーの14吋(35糎;なんや二百三高地の28サンチ砲みたいやな。せやけどこない書いた方が雰囲気出るやろ。戦後製やけど)の「高級電気技術用」バンブースライドルーラー(棒形計算尺)や。叔父が大学在学中か卒業後に使うてたみたいで、60年代初期か中ごろの製品と推定される。標準販売価格¥3500やから、そない安いモン違うかったんやな。まだ関数電卓なかった時代、工学部の学生は、こんなんつこて講義や試験受けててんな。


 これは両面に目盛りとかが振ってあるタイプで、表面は乗除算・平方・逆数・べき乗算に、裏面は三角関数双曲線関数にそれぞれ対応してるみたいや。


 計算尺は、対数関数


logMN=logM+logN


の性質、つまり、真数の積は、これに任意の底の対数を取ると、和の形に変形でける性質を利用した器械やそうや。加減算はでけんが、乗除や対数・三角関数双曲線関数(hyperbolic function)の数値計算に使われとった。せやけど、「タイガー計算器」が70年代初頭までに電卓に駆逐されたんと同様、70年代中ごろにカシオ計算機から関数電卓が発売されてから徐々に使われんようなってしもた。80年なるまでに中学数学の学習指導要領からも「計算尺による計算」もへずられた。せやからわしは計算尺なんておっちゃんから現物もらうまで見たことなかってんやんけ。


 思うに、戦後の高度経済成長は、経年変化が少のうて高精度の孟宗竹製「ヘンミ計算尺」と、機械式計算機である「タイガー計算器」とともにあってんな。加減算は技術屋やったら暗算で十分やったけど、乗除算や関数計算は計算尺で計算時間が大幅に短縮された。やけど、計算尺は「答一発」の電卓とちごて、桁数は計算する人間が考えやんとあかんかったし、目盛にカーソル合わすんにも視神経使う面倒な作業やった。想像やけど、この「適度な面倒さ」が、当時の技術者を世界最高水準に押し上げとったんかもわからんな。手先指先を使う作業は脳にエエちゅうしな。それに引き換え、関数電卓もパソコンもあって、何不自由のないわしら現在の技術者の体たらくよ。こんなんを「ハイテクの野蛮人」ちゅうのんか?工業高校か理工系学部の数学とかで、計算尺復活さしてもエエん違うけ?京都嵯峨野とかの竹林の有効利用なるがな。竹のエージングが大変らしいんで安価にこさえれるかわからんねんけど。


 ノーミソは豆腐みたいにヤワいけど、無限の可能性を有する。囲碁も将棋も暫くは人間の方がコンピュータより強いんが続くやろう。せやのに、何で日本の科学・技術は停滞しとんのやろう?日本人のハード重視・ソフト軽視の傾向と関係あるんやなかろうか?原発事故はその殆どが人災であるちゅうんはまず正しい思うし、それとの関連も探ってみたら面白いかもわからんのう。


 この計算尺は、関数電卓に比べたらお世辞にも使いやすい代物とは言えない。それに、無線従事者国家試験でも、とうとう先月に計算尺の使用が全面禁止されてしもたそやし、現状では逆風が吹いてる。節電になるかっちゅうたかて、今日日の関数電卓かてソーラーやねんから関係あらへん。でも、これは頭の訓練なるやろうから、電験の「電力」の問題解くのんにでもつこてみたろかな。試験会場とかに持って入ったらナニ人かて思われるやろうが。