E-BOMBERのアホアホブログ

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わしの鉄道事情大研究・山陰本線(2)

 山陰線鳥取ー米子間は鳥取県出資による高速化事業が施工済みで、特急「スーパーはくと」や快速「とっとりライナー」などによる高速運転が可能になったある。とは言うても輸送密度が十分高いとは言えんので、伯備線列車乗り入れ区間伯耆大山ー米子間以外は単線のままや。鳥取鳥取大学前は複線化してもエエかとは思うが、電化については条件がある。

 

 それは前回書いたように、「きのさき」「こうのとり」が「スーパーはくと」よりも速うに鳥取まで行けるようなってからや。山陰線に通しの列車が走らせれんのは電化区間がブツ切れになったあるからやが、それは山陽新幹線の存在があるからそないなったんやんけ。大昔の山陰の玄関口は京都やったけども、山陽新幹線が岡山まで開業した辺から米子・松江附近へは伯備線で行った方が便利なったし、浜田へは広島から広浜バス、萩へは小郡(新山口)から防長線のバスの方が速い。

 

 せやさかい、鳥取伯耆大山間の電化はそれからの検討課題で、それまでは現状通り、「スーパーはくと」と「とっとりライナー」でエエのや。城崎温泉方面から鳥取まで山陰線電車が来ることになったら電化決定や。鳥取大学前ー伯耆大山間は単線のまま電化して、その代わりに信号場や交換駅の交換設備については、安全側線区間を1km以上長い目に取って、交換時間の短縮を図るねん。伯耆大山も高速通過でけるように信号設備を更新する。ほしたら鳥取ー米子間もスーパー特急運転区間なるさかい、それに合わして浜坂ー鳥取間も高速化したらエエねん。こないしたら米子まで一気にスピードアップでける。

 

 米子ー宍道間は一部複線化されたあるが、これはもう全面複線化した方がスッキリする。特急「やくも」は伯備線の線形が悪いんでスーパー特急化はむずいけども本数が多いんで、一部でも単線が残ったあると山陰線スーパー特急の運転に支障するさかいの。宍道ー出雲電車区(現・後藤総合車両所出雲支所)間は木次線乗り入れ列車が減るさかい、交換区間として例えば荘原ー直江間のような駅間距離が長い区間を複線化するとかして凌ぐ。

 

 西出雲ー益田間の非電化区間もどないするか結構むずい。現状でも少しの特急と快速「アクアライナー」が走るだけで、断面輸送量もそない多いことナイんで、カネのかかる高速化は非現実的や。近い将来、燃料電池や大容量蓄電池を搭載した非電化区間を走れる電車が開発されるやろから、それをつこたスーパー特急を2時間毎に1往復程度走らすことが目標になるやろか?線形は概ねエエんで、当面は「踏切退治」をして最高速度を稼ぎ出す努力を続けることが肝要なんやなかろうか。

 

 それよりもさらに難易度が上がるんが益田ー長門市間やな。この区間から定期特急運転があれへんようなるさかい、スーパー特急山口線を高速化してそっちに逃がし、益田以西は走らしても急行が限界やろうな。その急行も長門市からは美祢線に入れて厚狭経由で下関に向かわす方が現実的やで。長門市ー幡生(下関)間は潰滅的に線形が悪いんで、通常のやり方でどないかなる区間とは違う。ようこないもウネウネした線路に毎日数往復の急行と1往復とは言え特急まで走らしてたモンやな。ちゅうか、仮にも幹線の山陰線にようこないな線路戦後70年以上も残しとったな。これはもう地方交通線レベルなんかとちごて、令和の現代に生き残った明治・大正の軽便鉄道レベルの線形やで。

 

 そこで、この末端区間についても予土線の項目で書いたDMV(デュアルモードビークル)の線路専用版の「SMV」を走らしたなるんだが、それでもこの区間はうまいこと行く気ィせえへんのだわ。なまじ車体が軽いさかい軸重も軽すぎて、曲線区間で脱線しやすい弱点がある車両を、やたら急曲線が多い区間で使うんはあむない。ただそうは言うても、今や特急はおろか快速もろくに走らん路線を線形改良するような酔狂もあれへんし、このままの線形で行くしか手ェはナイ。

 

 やとしたら、このSMVを徹底的に改良するしかあれへんな。まずは、高加減速特性と曲線通過の安定性を得るために、トラクションコントロール(粘着力制御)システムを使うことにする。トラクションちゅうのは要するに車輪がレールに喰いつく度合いで、これが大きいと加減速時の空転(ホイールスピン)が少ななって鋭い加減速が得られ、それと同時に急曲線通過時の車体の安定性も向上する。自動車のF1でもこれらの特性を生かしてコーナーの多いサーキットを速う安定して走れるように採用されたことがあるけども、現今のレギュレーションでは採用禁止になったあるみたいやな。

 

 次は、やっぱしF1でも採用されたことのあるアクティブサスペンション(能動バネ)やな。これも曲線走行時の車体の安定性を高めて高速コーナリングがでけるようにする仕掛けで、JR北海道201系気動車とかの車体傾斜制御もこのアクティブサスの変形て考えれる。クルマは軽いさかいF1界では80年代前半の結構早い段階で導入されとって、重量のある鉄道車両への導入はかなり遅れたけども、新幹線は96年に試作され翌年量産開始の500系が最初の導入例やな。これも今はFIA国際自動車連盟)のレギュレーションで禁止されとるみたいやが。

 

 この、「線路を走るF1マシン」を山陰線末端区間用特急に用いたからちゅうて、山陰線全線の「新幹線化」を達成したことには全然ならんが、それでも車両新規導入コストもランニングコストも抑えられて、通勤通学時間帯以外のローカル列車に有効やろうな。関門トンネルくぐして九州に乗り入れさす用途には向いてへんけどな。

 

 作家宮脇俊三氏が「大いなるローカル線」と称した山陰本線なだけに、ローカル線対策山盛りなったな。今後のわしの連載にも影響しそうやが、恐らく世間では全然注目されまい。(しまい)

 

 次回は舞鶴小浜線の予定や。